明日を描こう (ページ7)

今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:27,765 hit

＊ページ7

雅紀と潤が学会から帰ってきて、3人はダイニングテーブルに座り、智が話し始めた。

智「この前もメールで言ったみたいに、和が足を痛がってたから今日病院で検査したんだけど、これ見てほしい。」

雅紀「えっ、これって骨肉腫かもってことだよね.....。」

智「うん。その可能性が高い。」

智は静かに頷いた。

潤「でもさ、まだ決まったわけじゃないじゃん。」

智「確かにまだ決まったわけじゃない。でもレントゲンと採血でこの結果だとほぼ確実だと思う。今は検査入院してどれぐらい広がってるか確認する必要がある。」

雅紀も潤も小児科医として検査結果を見ただけで予想はついていたが、認めたくなかった。

まさかまだ3歳の和が…。

これからの治療のことを考えると3人は心にぽっかり穴が空いたようだった。

翔『かーずくん、おはよ。どう？しんどくない？』

次の日の朝、検査の時間が早かったため、少し早めに和を起こした。

和『おはぁよ、しょうにぃにだー。』

翔『昨日一緒にずっといたんだよー和。気づいてなかったでしょー。今から痛くない検査するからね。大丈夫だよ。』

和『しょうにぃにずっといっしょ？』

翔『ずっと隣に入れないけど、和が見えるところにいるからね。』

その言葉に少し安心しているように見えたが、和はまだ不安そうに瞳を揺らしていた。

しばらくしてから、翔の抱っこでMRIを撮りに行った。

先『翔先生、転移はしていなさそうですよ。ただやっぱり病理検査はしないとダメですね。ほとんど骨肉腫で確定ではありますが。』

翔『…わかりました。ありがとうございます。和、もう終わったよ。戻ろうねー。』

翔は予想していた結果に落胆したが、今は和を不安にさせないことが最優先だった。

智『翔？どうだった？』

翔『あっさとにぃおはよう。これMRIの結果だよ。転移はしてなかったけど、病理検査した方がいいって。まさか3歳で手術受けるなんて想像してなかったよ…。』

病理検査をするためには、実際に腫瘍の一部をとらないといけないため手術をしないといけなかった。

智『……俺が執刀するよ。正直辛いけど、俺にやらせてほしい。』

翔『わかった。さとにぃに任せる。』