明日を描こう (ページ14)

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雅紀『かずー、どおー？って寝ちゃってるの？』

潤『あらら笑なかなか起きてる時に会えないねー。』

抗がん剤治療が始まってから、兄たちの勤務が終わって病室に行ける時間は疲れか、ほとんど和は寝ている。

雅紀と潤もなかなか起きている時間に会えることが少なくなっていた。

智『ついさっきまでは起きてたんだけどね。今日も疲れちゃったのかな？でも、雅紀にぃにと順にぃにも会いたいって言ってたよ。』

翔『明日は雅紀が休みだから、1日一緒にいれるじゃん。和だって喜ぶよ。』

雅紀『そうだったそうだった！和に癒してもらおーっと！』

本当なら大部屋のはずだが、あえて個室にしてもらい、毎日兄のうち誰かが病室に入れるようにしていた。

そのおかげか、和が「寂しい」と言うことはほとんどない。

智『調子戻ってきたら、また5人でご飯食べたいねー和。』

智が優しく髪を撫でながら、決して穏やかではない顔で寝ている和にそう言った。

雅紀『おはよう！和！』

潤『ちょっ！まさにぃうるさいってば！まだ寝てるんだから。』

まだ朝早いと言うのにテンション高く病室に入ってきた雅紀

昨夜、泊まっていた潤が呆れて言った。

和『…んぅ、あっ‥まさきにぃにだー‥おはぁよー』

雅紀『おはよ！今日はにぃがずっと一緒だよー。』

雅紀の大声のせいか和が眠たそうに目を開けた。

潤『やっぱり起きちゃったよ‥。ある意味さすがだわ笑じゃあ俺は仕事行くね。またねー和。』

和『うん！またねーじゅんにぃにー』

今日の抗がん剤はもう少し後のため、しばらく2人でゆっくりと過ごしていた。

雅紀『和は何か持ってきて欲しいものない？』

和『りんごじゅーすー！』

雅紀『えーーりんごジュースはあそこにあるよー？他にないの？』

りんごジュースやゼリーなどさっぱりしたものはいつでも食べられるように常に病室の冷蔵庫に入っていた。

和『なーいの！』