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涼太ってやっぱりモテるんだなぁ。
元カノもいたけど、振ったのお前だろ!
まったく……
変なのにも好かれて大変だな。
私はジャージに着替え、濡れた床を掃除した。
黄「Aっち?」
『涼太?』
黄「ジャージ?どうしたんスか!!?髪もビショビショじゃないっスか!」
『あぁ…転んで自分の上からジュースぶちまけちゃってさ!この有様。笑えるよね〜。涼太こそ何やってんの?』
黄「視聴覚室行ったらAっちいないから探しに来たんスよ。俺も手伝うから、貸して。」
いやいやいや、何言ってんの?
『自分でやったことだから大丈夫だよ。すぐ行くから先に行ってて。』
黄「……わかったっス。」
ホッ……
またさっきの子達に見られたら厄介だからね。
あ〜本当女ってめんどくさい。
妬み、僻み、嫌悪、劣等感。
男に生まれてきたかったよ。
「何をやっている?」
『え?』
パッと声のする方を見ると、キラキラしたスーパーボールを持った男が立っている。
緑「黄瀬か?」
『真ちゃん!?クラス間違えたの?ここ3組だよ。』
緑「違うのだよ。先生に書類を取り行くように頼まれて、たまたま通りかかっただけなのだよ。黄瀬は何をしている?」
『あぁ、涼太には内緒にしといてほしいんだけど……涼太の元カノ達にやられました。』
緑「お前も苦労しているのだな。でもなぜ黄瀬には言わない?」
『涼太は心配性でしょ?心配かけたくないし、元カノがこんな事したって知ったらショック受けるだろうし。』
緑「黄瀬…いつも思うが、自分の事も考えた方が良いのだよ。それでは相手の思う壺。」
『わかってる…のだよ。』
緑「なぜ真似をする?」
『すんません。』クスッ
緑「これを持っているといい。今日の獅子座のラッキーアイテムなのだよ。」
真ちゃんはポケットからピンクのクマのストラップを出し、私に手渡した。
『ピ、ピンクのクマ……ぷっ。』
緑「バカにしているともっと不運な事が起きるのだよ。明日は返してくれ、じゃ。」
『はーい。』
真ちゃんはいつもこうしてラッキーアイテムを貸してくれる。
決して手を貸す訳ではないんだけど、私にはそれが心地良い。
ラッキーアイテムはちゃんと返さないと怒るけど、ある意味頼りになる人だよね。
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作者名:moana | 作成日時:2017年10月18日 14時