届かぬ願い/銀時/切 ページ2
「…本当に、ごめん。」
――別れよう。
そんなことを俺は切り出した。
俺は下を俯き黙って返事を待った。
本当は別れたくない。もっと一緒にいたい。
でも、無理なんだ。
この戦いにはお前を巻き込みたくない。
今の俺じゃあ自分のことで手一杯で、お前のこと、守れる自信が無い。
大切な人が、傷つのはもう見たくない。
俺の気持ちをちゃんと伝えたかった。
言い訳にしかならないけど、伝えたい。
でも、何て伝えればいいんだろう。
言葉が見つからず、ただ黙ることしかできない自分が凄くもどかしい。
「…銀時、顔、上げて。」
お前に合わる顔がなくて、俯いたままでいると、耳元で声がした。
「…何も言わなくても、銀時が言いたいことは分かる。だから、安心して。私は大丈夫だから。」
お前の言葉は焦っていた俺の心を段々と落ち着かせた。
「でも、これだけは約束して。」
「…絶対に、死なないで。」
その言葉を聞いて、顔を上げた時にはもうお前は後ろを向いて歩いていた。
「またね、銀時。」
そう言って手を振っていた。
「つっ……」
俺は逆方向に走っていた。
誰もいないところへ。
そして…
「ちくしょおぉぉぉ!!!」
俺は大声で叫んだ。叫ばずにはいられなかった。
いつの間にか目から涙が溢れていた。
「…何で、何でだよ。ちくしょう。何で…こんなにも苦しいんだよ。」
“こんな思い、するくらいなら――戦争なんてなくなっちまえばいいのに。”
その願いは涙となって零れ落ちた。
誰にも届かぬまま――。
儚く、散った。
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桜音シノ(プロフ) - 銀さんのも雲雀さんのも良かったです・・・これからも頑張ってください! (2011年1月14日 12時) (レス) id: f9b80634be (このIDを非表示/違反報告)
銀星 - ぎ、銀さん・・・・・・・・ (2010年8月28日 13時) (レス) id: a0260e2d1f (このIDを非表示/違反報告)
柚子兎 - うー・・か・・せつないです(涙)あっ!申し遅れました私柚子兎と申します♪小説いいですね・・雲雀のが特に・・突然ですがリクで銀魂の神威お願いしてもいいですか?これからも頑張って下さい♪ (2010年6月24日 23時) (携帯から) (レス) id: 433fa5d351 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨音