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カイエンパンザマスト・10 ページ41

「確かに、言われてみればそうだな。どうりで最近手がかかる様になったのか…」
額に手をあて、深くため息を吐く。
これまでの様子からしても、苦労は並大抵のものではなさそうだ。
苦笑いしていたモモだったが、ふとキドの言葉に引っ掛かりを覚えた。
「最近?前までは違ったんですか?」
「ん?ああ、まあな」
「へぇー!どんな子だったんですか?小さい頃の朔ちゃんって」
問われ、今度はキドが苦笑する。
「あいつの小さい頃か。あいつはな、」
言葉を止める。
…否、困惑して止めた様に見える。
「どうしたんですか、団長さん」
「いや…悪い。ちょっと待ってくれ」
しばらく考えていたが、やがて諦めた様に首を振り、気絶していたカノを起こす。
いつ気絶したのか?なぜ気絶したのか?
…察してほしい。
「おいカノ。起きろ」
「うう…はっ!僕、生きてる!?」
「当たり前だろ、何言ってんだ」
「いや、今回は本当に終わったと思って!全く、キドもひどいよね〜」
「…終わらせてやろうか?」
「ごめんなさいやめてくださいお願いします」
大げさに首を振る動作にため息を吐き、キドはあらためてカノに向き直る。
「考えておく。そうじゃなくてお前、サクの小さい頃のこと覚えてるか?」
「…は?サクの小さい頃?」
「ああ」
「う〜ん。ちょっと待ってね」
これまた芝居がかった動作で首をかしげる。が…徐々に笑みが消えていった。
「…ごめん、思い出せないみたい」
「お前もか」
「ってことは?」
「俺もだ。お前やセトのことならいくらでも思い出せるんだが…」
「うん、そんな感じ。サクのことだけ何か曖昧で、綺麗に出てこない」
考え込むカノだったが、取り繕う様に笑った。
「まあでも、今みたいな感じだったんじゃないかな?よく思い出せないってことは。キドみたく急に変えたわけじゃないんだよ、きっと」
「…そう、か。そうかもな」
「あ、サクからメール。…はは、セト見失ったって。今こっち来てるらしいよ。それじゃ、この話はまた今度ってことで」
「ですね。…ところで、団長さんはどうして性格変えたんですか?」
「…カノ。覚悟はできてるな?」
「いや、言おうとしたわけじゃないんだけど口が勝手にごめんごめんごめん!」
「サク、来たよ…っ!」
「で、団長さんっ!教えてくださいよ、性格を変えたわけ!私のフォルダを潤すためにも!」
「目的そこか!ったく…」

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白雪 - 尊いですわ。 (2019年8月9日 21時) (レス) id: 03f6bf06e7 (このIDを非表示/違反報告)
霜奈(プロフ) - yryoukayさん» コメントありがとうございます!長い間返せなくてすみません、こっちの方はしばらく見ていなくて…。頑張ります! (2017年4月9日 10時) (レス) id: 2732718bb3 (このIDを非表示/違反報告)
yryoukay(プロフ) - 凄く面白いです!これからも頑張って下さい! (2017年3月15日 22時) (レス) id: 4393c94d6c (このIDを非表示/違反報告)
霜奈(プロフ) - ペンネグラタンさん» いえいえ! (2016年11月23日 14時) (レス) id: 2732718bb3 (このIDを非表示/違反報告)
霜奈(プロフ) - 二次元ちゅーどくさん» コメントありがとうございます!なんて嬉しい&ありがたいお言葉…!こんなので良ければ、どうぞ和んでください♪ (2016年11月23日 14時) (レス) id: 2732718bb3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:霜奈 | 作成日時:2015年8月31日 9時

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