ある日。side修哉 ページ5
「さあ、今日も秘密組織の始まり!」
姉ちゃんの声で、今日も僕らは『秘密組織』になった。前にもらったパーカーを着て、フードをかぶる。
僕は黒、幸助は白、つぼみは紫、スズは紺。
「アヤねぇ、きょうの『作戦』は?」
スズが待ちきれないというように聞いた。目がすごくキラキラしてるけど、多分僕も同じだ。
「うーん、今日はねえ……名付けて『お父さんのメガネ作戦』!」
「…すごく内容が予想できるね」
「う…つぼみ、それ言っちゃダメ」
つぼみ、ナイスツッコミ!
「で、何をするの姉ちゃん?」
言ってあげたら、
「よく聞いてくれた!」
すぐ復活したからほっとした。
「今リビングでお父さんが昼寝してるの。昼寝中のお父さんは、ゆすったりしてもほとんど起きないでしょ?だから、そこからメガネを取って、皆で分からないところに隠す」
「うんうん」
「それで、お父さんが起きたら、隠したことを言うの」
「ええっ!言ったら怒られちゃうんじゃない?」
幸助が情けない声を出す。
「大丈夫だよ!…多分。一時間以内に見つけられたらお父さんの、見つけられなかったら私達の勝ち。どうかな?」
「いいねそれ!」
「やる」
「スズも!」
「えぇ…じゃあ、僕も?」
「よし、決ーまり。作戦開始!」
「はぁ…暇だなぁ」
作戦開始から少しして、僕はため息をついた。あのあと『三人でメガネを取りに行こう』って話になった。それで、スズは無理→スズは残る→誰かもう一人→じゃんけん→僕も残る。って決まったんだけど…僕も行きたかったな…。
「ねえ、シュウ兄おいてかれたの?」
無邪気な言葉に、なぜかすごく腹が立った。
「僕は残ったの。置いてかれたのはスズ」
スズが頬を膨らませる。
「スズおいてかれたんじゃないもん!」
…本当に何なんだろう、そんな表情でさえも苛立たしい。
「置いていかれたの!スズは小さいからどうせ失敗するでしょ。そしたら作戦できないから…あ」
涙目になったスズを見て、言い過ぎたことに気づく。謝ろうとしたけど、もう遅い。
「シュウ兄のばか!だいっきらい!」
スズが叫ぶと同時に"消えた"。
「あー…姉ちゃんに怒られる」
僕は今日二度目のため息をついた。
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白雪 - 尊いですわ。 (2019年8月9日 21時) (レス) id: 03f6bf06e7 (このIDを非表示/違反報告)
霜奈(プロフ) - yryoukayさん» コメントありがとうございます!長い間返せなくてすみません、こっちの方はしばらく見ていなくて…。頑張ります! (2017年4月9日 10時) (レス) id: 2732718bb3 (このIDを非表示/違反報告)
yryoukay(プロフ) - 凄く面白いです!これからも頑張って下さい! (2017年3月15日 22時) (レス) id: 4393c94d6c (このIDを非表示/違反報告)
霜奈(プロフ) - ペンネグラタンさん» いえいえ! (2016年11月23日 14時) (レス) id: 2732718bb3 (このIDを非表示/違反報告)
霜奈(プロフ) - 二次元ちゅーどくさん» コメントありがとうございます!なんて嬉しい&ありがたいお言葉…!こんなので良ければ、どうぞ和んでください♪ (2016年11月23日 14時) (レス) id: 2732718bb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:霜奈 | 作成日時:2015年8月31日 9時