カイエンパンザマスト・４ ページ35
「…いやぁ、新人君の緊張を少しでも、」
話すカノの頭に、本が落ちてくる。
「…和らげようと…」
のんびり見ていたセトが笑った。
「『緊張』ほぐすよりも先に『縄』ほどいてあげた方がいいんじゃないっすかねえ。久しぶりの新団員なのに、これじゃ可哀相っす」
「あー、確かにねえ。カノ兄、遊んでる場合じゃないでしょ」
「さっき止めなかったよね！ね！？」
今度こそ遠慮なくつっこむと､「細かい事はいいんだよ、桃ちゃん！」と実に明るく爽やかな笑顔が返ってきた。
…意外におおざっぱなところもあるらしい。
「……ん？」
シンタローが『何か』に気づいた。
「ちょ、ちょっと待てよ？…新人？団員？お前ら一体何の話してんだ？」
「あれ〜？シンタロー君、エネちゃんに聞いてないの？」
飛ばされたままだったカノが立ち上がる。
「何ひとつ聞いてねえよ…」
苦い顔になるシンタローに、カノがしれっと爆弾を投下した。
「エネちゃんとシンタロー君、もう団員ってことになってるけど？」
「…へっ？それってどういう…」
「だーかーらー。シンタロー君もエネちゃんも、今日からメカクシ団団員ってこと。エネちゃんに聞いたら､
『ご主人も喜んで参加しますよ！』
って、言ってたよ？」
エネが得意気な顔になる。
「ばっちり、了承しときましたよ！」
「してんじゃねえよ！」
怒鳴るシンタローに、キドがとどめをさした。
「そもそもこの団の話もしてしまった以上、このまま帰すわけにはいかん」
「おいしいところ持っていくね、キド姉…まあそういう事だよ、シンタローさん。諦めた方がいいかな」
「と、いうわけでー」
固まったシンタロー。
カノが楽しそうに肩を組む。
「ようこそメカクシ団へ、シンタロー君！」
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白雪 - 尊いですわ。 (2019年8月9日 21時) (
レス) id: 03f6bf06e7 (このIDを非表示/違反報告)
霜奈(プロフ) - yryoukayさん» コメントありがとうございます！長い間返せなくてすみません、こっちの方はしばらく見ていなくて…。頑張ります！ (2017年4月9日 10時) (レス) id: 2732718bb3 (このIDを非表示/違反報告)
yryoukay(プロフ) - 凄く面白いです！これからも頑張って下さい！ (2017年3月15日 22時) (レス) id: 4393c94d6c (このIDを非表示/違反報告)
霜奈(プロフ) - ﾍﾟﾝﾈｸﾞﾗﾀﾝさん» いえいえ！ (2016年11月23日 14時) (レス) id: 2732718bb3 (このIDを非表示/違反報告)
霜奈(プロフ) - 二次元ちゅーどくさん» コメントありがとうございます！なんて嬉しい＆ありがたいお言葉…！こんなので良ければ、どうぞ和んでください♪ (2016年11月23日 14時) (レス) id: 2732718bb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霜奈 | 作成日時：2015年8月31日 9時
