[カゲプロ]キド・カノ・セトの妹。

カイエンパンザマスト・３ ページ34

エネとカノがいつもと違う空気を纏う。
…その様子を、セトとマリーを除く面々は白い目で見ていた。
「…キド姉」
「なんだ」
「気のせいかな、ここでゲームが始まったみたいなんだけど」
「安心しろ、俺にもそう見える。何やってんだ、あのバカは…」

ため息を吐く２人の前で、『人権と尊厳を生贄に』されたシンタローが悲鳴をあげた。

『…なかなかやるねえ、でも！』
カノが手を上に伸ばす。
『これからだよ！』
『何ですと！？』
「キド姉、これかららしいけど」
ここで止めるか？放っておくか？
「…様子見だ」
「…もしかして団長さん、楽しんでます？朔ちゃんも」
「そんな事ないよ〜」
「ただの様子見だ」
ひそひそと話す間にも、ゲームは進む。
『カウンタートラップ！
マリーの秘蔵ポエム、オープン！』

『秘蔵』にされるだけのポエムが開かれた。

「キ、キド姉…黒歴史を公開されたマリーがショート寸前になってるよ…っふふ」
「…もう少し様子見だ」
「間違いなく楽しんでる…！」
『まだまだいくよ〜！？』
諦めたモモの前で、カノは両手を天に掲げる。
…完全に入り込んでいるらしい。

『次はキドの、』

…蹴りが入り、カノは本棚まで飛ばされた。

キドが睨む。
「…話を逸らすなアホが」
(放っておいたの自分ですよね！？)
叫びかけたモモだったが、何とか心の中に抑え、代わりに友人の腕を引く。
「…朔ちゃん」
「なーに、桃ちゃん」
「…いつも、こんな感じなの…？」
「こんなって、キド姉？カノ兄？全体？」
「全体」
「うん、こんな感じ」
即答された。

…モモが内心ものすごく不安になったのは、言うまでもない。

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