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リ「お、来れたやん」
盛「おーー、えらいえらい」
…お前らそんな顔できんのか。
めっちゃくちゃ優しい顔して。
見たことあらへんぞ。
今日最後の公演も、もうすぐ幕を下ろす。
最後の出番に向けて、袖で待つ2人はわしゃわしゃAの頭を撫でる。
盛「うわ、なんか久々にAに見られるから緊張してるわ俺」
「なんでよ」
リ「噛んだらどうしよ」
「噛まんやろ」
寸前まで、Aを笑顔にして。
出囃子が鳴ると、小走りで舞台に向かう2人。
腹立つわ、なんかかっこええやんけ。
ゆ「…しんどないか?」
「……ん」
自分の手の平に、温かい感触。
震えてる手が、まるで助けを求めるように縋り付いてきてて。
「大丈夫や」って言いながら、握り返す。
「ありがとうございました」の声と、割れんばかりの拍手。
それと同時に、隣から「ふぅ、」と息を吐く音。
ゆ「A」
名前を呼ぶと、きょとんと見上げてくるから
ゆ「ちょっとここおって」
「…え?あ、ちょっ」
困ってるAの小さい手を離して、俺も舞台に向かう。
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作者名:よいちょちょちょ丸。 | 作成日時:2022年2月24日 10時