げいひめ。 (ページ9)

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ゆ「はーーっ、ほんま、お前！お前えええ」

「い、いたいっ」

盛「語彙力なくなってはるわ」

リ「犬猫にやる可愛がり方なんよな」

デコをひっつけてぐりぐり押し付けてやると、苦笑いしながら反応してくれる。

俺とAの戯れを見守ってた連中から

『ずるいっすよ、ゆずるさん！！！』

『俺たちもAさん愛でたい、、』

なんて声が聞こえるもんやから、仕方なく場所を空けてやる。

わらわらと集まってきた奴らに、もみくちゃにされてる姿を遠巻きで見守る。

リ「ちゃんと連れてきたすよ」

ゆ「おお、遅いけどな」

盛「ここまで来れただけほんま成長やわ、、」

「感慨深いなあ、、」なんてぽつりと残して、

タバコ持って消えていく姿を見送ったら、

隣から情けない声。

リ「…戻れるすかね、板の上」

ゆ「……わからんわ、そんなもん」

リ「ここくるまでもめちゃくちゃ震えてたんすよ」

ゆ「まあ、そら怖いわな、、」

困りながらも、みんなからの寵愛を受けてるであろう目線の先の奴。

ちっこすぎて、人の影に隠れてなんも見えへん。

ゆ「…とりあえず、やれることはやっとこか」

リ「そっすね」

目も合わさずに、俺は音響さんのところへ。

リリーは、舞台袖へと別れた。

ゆ「A」

「あ、ゆず兄！お疲れ様です」

「今日もめっちゃおもろかった！」なんてにへっと笑うから、またガシガシ頭を撫でてしまう。

稲「Aちゃん、元気そうでよかったわ」

「稲田さんもお疲れ様です！今日もイケメンやわ」

稲「え〜ありがとう」

ゆ「お前ちゃんと病院行け。目腐ってるわ」

「ふふっ」

お供物？ってくらいに目の前に置かれた缶コーヒー。

ここにおる奴らの見舞いの品はそれしかないんか。

ゆ「なあ、A」

「はい？」

ゆ「…ちょっと袖、行ってみーひんか？」

「……えっ」

目線合わせるように膝ついて、手をとってみる。

一瞬で曇った表情。

そんな顔させたいんちゃうねん。

ゆ「…怖かったら、手繋いだるから」

「……」

ゆ「リハビリやおもて、、、な？」

不安気な目が、じっと俺を見つめる。

「大丈夫、俺がついてる」って気持ち、伝わらんかな。

こくん、と首が縦に動くと、

手をギュッと握ってくれた。