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no side
『…………手だらけ』
「何だぁ？お前…………」
ボトリ、ボトリ、と落ちる数本の腕。
Aは刀についた血を払い鬼を見据える。
『…………鱗滝左近次という男を知ってるか？』
「……！知ってるさぁ！
四十七年前に俺を捕らえたのは鱗滝だからな！！」
『だからか？』
「？」
『だから、鱗滝さんの継子を殺すのか？』
手の鬼はニヤリと嫌な笑みを浮かべた。
「……そうさ。俺は鱗滝を許さない。
ここから出られないなら入ってくる狐を殺せば良い」
『……………………』
Aの額に青筋が浮き出る。
それからゆっくりとした動作で刀を鬼に向けた。
『…………ならば、お前を斬ろう。
此処は人を数人しか食っていない鬼だけと聞いた。
だがお前はどうだ？数"十"人だろう？』
「へぇ……分かるんだなぁぁ！」
『お前は鱗滝さんに捕らわれた恨みの分。
私は鱗滝さんの分と、食われた継子の分。
それでどうだ？』
互いの攻撃する理由を理解した
鬼は楽しそうに笑う。
余裕綽々、といった様子だ。
「面白いなぁお前……！！久々に強そうだ……！」
その言葉と同時に腕が伸びる。
Aは軽く跳躍して避けた。
『なるほど、』
確かに速い、と呟いて
Aも刀で鬼へ斬り掛かる。
「お前もヒトのくせにやるな……！」
刃の先が鬼の頬を掠る。
Aは着地と同時に左足を軸にして半回転。
そのまま左足で踏み切って再度跳躍。
空中で刀を構えるAに鬼の腕が三本。
頭部と左右の脇腹を的確に狙っている。
『……！』
逃げ場は無い。
「楽しかったけど、終わりだ」
Aは、頭だけを庇うように体を捻った。
.
.
Aの左脇腹を腕が貫通した。
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沙羅(プロフ) - 邑さん» コメントありがとうございます！！長らくお付き合い頂いて本当に嬉しいです……！芽吹お師匠のところは私も書いてて泣きそうでした……今後は宇髄さん以外にも沢山の方が登場予定なので、ぜひよろしくお願いしますー！！ (2020年2月2日 18時) (
レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
邑 - 前編から読ませて頂いています、凄くこの作品好きです!!師範のところ、もう、涙がぼろぼろでてきました...!! (2020年2月2日 17時) (レス) id: 451c1f62e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：沙羅
| 作成日時：2020年1月26日 21時
