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貴女side




『ここが……藤襲山……』




とにかく凄い量の藤が咲いてる。

お師匠の家がある山の藤の木より立派かもしれない。




長い階段をのぼり

少し開けた場所には人、人、人。




いや多くね……?←




「こんな子どもも鬼殺隊志望かよ」

「鬼殺隊なめてんじゃね」




ギャハハ、という汚い笑い声と共に背中に軽い衝撃。




『あ"……?』




自分でもビックリするくらい低い声が出た。

案の定、私の背中を叩いた二人も肩を揺らした。




「な、何だよ。すごんだって怖かねぇぞ」

「ガキは帰れよッ」




ジト目でこの二人を見ていたが

お師匠の「売られた喧嘩は迷わず買え」を思い出し

思わず唇の端がつり上がった。




『……うるっせぇよガキ(・・)
歳下相手しかいびれねぇくせに調子乗るなよバァカ』




これはお師匠の決まり文句。

なんか、喧嘩する時いつもこんな感じ。←




「なっ……!」

「てめぇ……!!」

『ガキはどっちだよ。今から鬼と戦うんだぞ?
なめた態度とってんのはお前らだろ?』




少し注目を集めてしまったようなので

そこまで言ってから背を向けた。




いやぁ……怖いねぇ。

十三歳でもこんな風に言われるのね……




「「只今より鬼殺隊、最終選別を始めます」」




いつの間に現れたのか

双子らしき子どもがそう告げた。




『……とりあえず東に向かおうかな』




東は太陽が早く見えそうだから。




足場の悪い山道を駆け抜けていく。

鬼ってどのくらいいるんだろう。






.









──────ぎゃあッ

『!』




走り始めて早一時間。

少し離れた所から微かに悲鳴が聞こえた。





『試しに使ってみるか……
全集中……木霊の呼吸【漆ノ型・芝蘭玉樹・感】』





すぅ、と息を吸って集中力を高める。

血液を、耳と、目に回せ。





ズズッと視界が広がる気がした。

騒がしいくらい沢山の音が聞こえてくる。

周囲の木と、五感を共有する感覚。呼吸、成功だ。





視線を飛ばして悲鳴の元を探す。





『鬼、』





そう呟いたところで視界と聴覚が一つに戻る。

喋ったことで集中が切れたようだ。





『でもでも!成功した!お師匠に教えなきゃ!
よっしゃ待ってろ鬼ィィィィィィィィィ!!!』←





鬼がいた方へ全力で走り出す。

因みにここまで十秒くらいしかかけてないです。

私って天才かもしれない。←

.→←.



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沙羅(プロフ) - 邑さん» コメントありがとうございます!!長らくお付き合い頂いて本当に嬉しいです……!芽吹お師匠のところは私も書いてて泣きそうでした……今後は宇髄さん以外にも沢山の方が登場予定なので、ぜひよろしくお願いしますー!! (2020年2月2日 18時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
- 前編から読ませて頂いています、凄くこの作品好きです!!師範のところ、もう、涙がぼろぼろでてきました...!! (2020年2月2日 17時) (レス) id: 451c1f62e7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沙羅 | 作成日時:2020年1月26日 21時

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