陸拾参 ページ48
no side
『じゃあ…そろそろお暇するよ。
お茶、ご馳走様でした』
千寿郎に任務先で見たものについて話していた
Aは、ひと段落ついた所でそう言った。
「もうお帰りになられるのですか……
また沢山お話を聞かせて下さいね!」
「付き添って頂きありがとうございます!
千寿郎!Aさんを見送りに行こう!!」
「はい!!」
元気に立ち上がる煉獄兄弟。
Aはすすっと煉獄・父の方へ近寄る。
『槇寿郎さん、お邪魔しました』
「気配を消して近寄るな……」
Aはニッコリ笑って槇寿郎の顔を覗き込む。
『杏寿郎、帰って来て良かったですねぇ。
沢山 話したいこともあるんじゃないですか?』
「そんなもの……」
『素直に褒めてあげれば良いんですよ。
父親に褒められたら嬉しいものでしょう?
……死んでしまったら元も子も無いんですから』
「……」
槇寿郎はAの表情の裏が読めなかった。
読めなかったが、本心なのは分かった。
「お前は……」
『?』
「お前はどうなるんだ?」
槇寿郎の問いにAは目を見開く。
その問いには身寄りの無いAの、
先代の"樹柱"を父とするAを思いやる
槇寿郎の優しさが混じっていた。
『…………私は、独りじゃないので大丈夫です。
お師匠も傍に居てくれますし
何よりお館様を含め、皆がいますから』
Aは羽織の襟元をキュ、と握って笑った。
『じゃ、また来ますね♡』←
「……大人しくするなら来ても良い」
『来てからのお楽しみですね!!』←
「やっぱ来るな」←
アッハッハ、と高らかに笑うAは
親子3人に手を振って煉獄家を後にした。
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沙羅(プロフ) - 邑さん» コメントありがとうございます!!長らくお付き合い頂いて本当に嬉しいです……!芽吹お師匠のところは私も書いてて泣きそうでした……今後は宇髄さん以外にも沢山の方が登場予定なので、ぜひよろしくお願いしますー!! (2020年2月2日 18時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
邑 - 前編から読ませて頂いています、凄くこの作品好きです!!師範のところ、もう、涙がぼろぼろでてきました...!! (2020年2月2日 17時) (レス) id: 451c1f62e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沙羅 | 作成日時:2020年1月26日 21時