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伍拾伍 ページ40

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「逃げるな卑怯者!!」





炭治郎が叫ぶ。





「逃げるなァ!!!」





猗窩座の額に青筋が浮き上がる。





「(何を言ってるんだあのガキは。
脳味噌が頭に詰まってないのか?

俺は鬼殺隊(おまえら)から逃げてるんじゃない。
太陽から逃げてるんだ。

殺すことは出来なかったが
あの2人に重傷を負わせたんだ。
杏寿郎は柱としてはもう戦えまい!!)」




「いつだって鬼殺隊はお前らに有利な
夜の闇の中で戦ってるんだ!!

生身の人間がだ!!
傷だって簡単には塞がらない!!
失った手足が戻ることもない!!

逃げるな馬鹿野郎!!馬鹿野郎!!卑怯者!!」





炭治郎は猗窩座の背中に叫び続ける。





「お前なんかより
煉獄さんとAさんの方がずっと凄いんだ!!
強いんだ!!2人は負けてない!!
誰も死なせなかった!!

戦い抜いた!!守り抜いた!!
お前の負けだ!!2人の 勝ちだ!!」





炭治郎も伊之助も2人の重症さは分かっていた。

煉獄の方はかなりギリギリだった。





「……もうそんなに叫ぶんじゃない。
腹の傷が開く。君も軽傷じゃないんだ。

竈門少年が死んでしまったら
俺の負けになってしまうぞ。

大丈夫だ、俺も、Aさんもまだ死なない。

こっちにおいで。
隠が来るまで少し話をしよう」





煉獄の意識があるのは不思議な程だった。

Aは横になり呼吸で必死に止血をしていた。





「思い出したことがあるんだ。昔の夢を見た時に」





煉獄は矢張り傷が痛むのか

ポツリポツリと話し始めた。





「俺の生家、煉獄家に行ってみるといい。
歴代の″炎柱″が残した手記があるはずだ。

父はそれをよく読んでいたが……
君が言っていた″ヒノカミ神楽″について
何か……記されているかもしれない」





「煉、煉獄さん、もういいですから。
傷が治ってから教えて下さればいいんです。
呼吸で止血してください……」





「大丈夫だ。
Aさんが時間を作ってくれたお陰で
酷い出血は止めることが出来ている。

今、喋れるうちに喋ってしまうから聞いてくれ。
俺は恐らくしばらくは起きられないだろうから。

弟の千寿郎には、
自分の心のまま正しいと思う道を進むよう
伝えて欲しい。

父には
体を大切にして欲しいと。

それから、竈門少年。
俺は君の妹を信じる。鬼殺隊の一員として認める」







煉獄は真っ直ぐ炭治郎の目を見た。

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沙羅(プロフ) - 邑さん» コメントありがとうございます!!長らくお付き合い頂いて本当に嬉しいです……!芽吹お師匠のところは私も書いてて泣きそうでした……今後は宇髄さん以外にも沢山の方が登場予定なので、ぜひよろしくお願いしますー!! (2020年2月2日 18時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
- 前編から読ませて頂いています、凄くこの作品好きです!!師範のところ、もう、涙がぼろぼろでてきました...!! (2020年2月2日 17時) (レス) id: 451c1f62e7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沙羅 | 作成日時:2020年1月26日 21時

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