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金盞花と駄菓子・4 ページ48

no side


────時は流れ


子供「Aちゃんごはんだよ!」

貴女『はい!』

彼女は慣れた足取りで走る


食堂へ着き席に座ると

一人の女教師が近寄った


先生「貴女…何歳だったかしら?」

貴女「……えっと、10歳です」


先生「そう…大きくなったのね」

貴女『お陰様で……』


先生「そういえば、貴女の家は駄菓子屋よね」

貴女『…はい』

先生「あの店を経営する気はある? 」


貴女『勿論です!私が経営します!』

先生「そう…じゃあ院長と話しなさい」

貴女『…判りました』



彼女は食事を済ませると

誰の助けも借りず院長室へ向かった


貴女『院長先生、Aです』

院長「入れ」

貴女『失礼します』



院長「話は分かっている、店の事だろう」

貴女『はい』


院長「…11になったら出て行くといい」

貴女『え…』

院長「本来、18までが孤児だ。良いな?」

貴女『わ…判りました、有難う御座います』


院長「話はそれだけだ、さぁ行け」

貴女『失礼しました!』



院長からの圧力から逃げるように部屋を出る



貴女side


如何しよう……

嬉しい…けど、11歳でお店は経営出来ない

商品だって判らないし


第一お金が無い!


働く…?駄目だ年齢が足りない

借りる…?駄目、返せる見込みもない

頼る…?誰を頼るの?


先生「Aさん、いらっしゃい」

貴女『…?はい』


先生「貴女に遺産があると分かりました」

貴女『……遺産?』


先生「ご両親の残したお金です」

貴女『え…!』


先生「そのお金は銀行にある様ですから」

貴女『銀行……』


先生「通帳と印鑑は銀行で貰ってちょうだい」

貴女『話せば貰えるんですか』


先生「銀行に話は通してあるわ」

貴女『有難う御座います、出たら取りに行きます』



少年「Aちゃん…此処…出るの?」

貴女『うん、お店を経営するの』

少年「そっか……」


ねぇ____君、ごめんね、サヨナラだよ


____君といると凄く楽しかった


でも貴方は傷だらけだよね

知ってるんだよ?

私が触れたら痛がるしね

目が見えないからって()めないで?


一番の友達って自負してるからさ

判るんだよ?


貴女『ねぇ…今度一緒に掃除しようね』

少年「うん、良いよ。Aちゃんとなら」


貴女『一緒に本も読もう』



------------

察しのいい方は気付いたことがあるのでは…?

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作者名:沙羅 | 作成日時:2017年3月19日 16時

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