駄菓子が十こ ページ12
貴女side
敦さんが扉を開けると言ってくれたので
待っていると
敦さんがうわぁっ、と声を上げて倒れる音がした
貴女『あっ…敦さん!?』
慌てて敦さんがいるらしき場所に行く
そしたら誰かの脚に頭をぶつけました
貴女『いてっ……すいませんっ……』
「いや…構わぬが…貴君は大丈夫か?」
国木田「社長!お帰りなさい」
「嗚呼…」
社長と呼ばれた方は私の手を取って
起こしてくれました
貴女『あの…御名前を伺っても宜しいですか?』
福沢「うむ、私は福沢だ」
貴女『福沢様ですね、宜しく御願い致します』
何時もの様にペコリとお辞儀をする
福沢「宜しく頼む… …ん?貴君は……」
貴女『…え?』
福沢「駄菓子屋の店主ではないか?」
貴女『わっ…私をご存知なのですか!?』
えぇっ!でも聞いたことのない声でしたし…
あぁ…失礼をぉ…あわわ……
福沢「否、駄菓子屋の前を通る時に
見かけたものだから…ほら、「すみれ」の」
貴女『た…確かに私が経営しております!
ご存知頂き光栄で御座います!』
福沢「今日は帰るのか?」
貴女『あ、はい。敦さんに送って頂きます』
福沢「そうか、では今度店に寄らして貰おう」
貴女『本当ですか、心よりお待ちしております』
福沢「うむ」
そう云うと福沢様は部屋の奥へ行ったようです
足音が微かですが遠ざかりました
貴女『あ、敦さん大丈夫ですか?』
敦 「大丈夫です!行きましょう」
私が歩き出すと壁にぶつかりました
敦 「あっ!気付かなくてすいません」
敦さんが手を握ってくれました
貴女『いえ、私もすいません』
敦さんの手が少し熱かったのは気のせい…
ですよね?
乱歩「(む…ズルイ…って何だこの感情!)」
太宰「(敦くん…うーん…モヤモヤするねぇ)」
国木田「(…別に羨ましくなど無い)」
谷崎「(ちょっと…羨ましい…かも?)」
この時、探偵社の皆さんは、Aちゃんの
手を引いた敦君と膝に座らせていた乱歩さんに
少なからず嫉妬していたようです
福沢「…名前を聞いていなかった」
ハルノ「あの子ですか?」
福沢「嗚呼……」
ハルノ「確か神楽木さんと言っていましたよ」
福沢「そうか…」
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作者名:沙羅 | 作成日時:2017年3月19日 16時