り ページ10
貴方side
貴方『…お疲れ様です芥川君』
芥川「ッ、Aさん……お疲れ様、です」
歯切れ悪く返事をする芥川君。
厭な予感はしていた。
貴方『…報告を聞かせて頂けますか?』
芥川「そ、の……鏡花は……」
目を泳がす芥川君。
貴方『何です?』
芥川「お、恐らく、爆発に巻き込まれたものと…」
貴方『……そうですか』
ふい、と芥川君から目を逸らす。
……お嬢様は、きっと生きている。
芥川「…ッAさん」
貴方『言い訳は不要です。
色美しく咲き誇る花も何時かは散る運命……
お嬢様の命も貴方の命も花同然なのです』
芥川「!」
貴方『今すぐ散らされたくなければ
即刻この場から立ち去って下さい。
……少し、頭を冷やしたいので』
芥川「…失礼、します」
何かを云おうとした芥川君は
口を閉ざし踵を返して地下から出て行った。
太宰「……相変わらず怖いですねぇ」
貴方『何のことでしょう?』
太宰「嗚呼…少女は生きてるんですね」
貴方『勿論』
鎖に繋がれたままの太宰君は
一瞬なにかを考えた顔をしてそう云った。
太宰「真逆こんな所で再会とはねぇ…」
貴方『四年ぶりですかね』
太宰「そうなるね」
ニッコリ笑う太宰君。
そんな彼に思わず口をついて出てしまった。
貴方『……頑張りましたね太宰君』
太宰「!」
貴方『よく、四年も……』
ゆっくり太宰君が目を見開いていく。
嗚呼、もう少し早く会いたかった。
太宰「Aさんこそ……」
貴方『…ふふ、私は善いんですよ。
それより背が伸びましたね』
太宰「Aさん位に伸びたよ」
貴方『ふふ、成長期は怖いですね』
わしゃわしゃと太宰君の頭を撫でる。
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作者名:沙羅 | 作成日時:2019年4月29日 19時