と ページ8
no side
中島「え、」
黄色い光を尾に引く小さなモノ。
それは目にも留まらぬ速さで
鏡花と爆弾を結ぶ紐を引きちぎった。
爆弾を引っ張り上へとあがって行く。
中島「!」
そして気付いた時には
爆弾は大きく火を噴き爆発していた。
.
川から這い上がった中島と鏡花。
中島は心配げに鏡花の顔を覗き込む。
鏡花「かはっ……は」
鏡花が息をしていることに気付くと
中島はほっと息を吐く。
鏡花「………あの」
声をかけたのも虚しく
中島は鏡花へと倒れ込んだ。
鏡花はその様子を見てから
ゆっくり空を仰いだ。
先程、爆弾が爆発した高さの辺りで
何やら淡く黄色に輝いていたものが
星屑の様に砕けていくのを見た。
鏡花「………A」
その呟きは誰に届くでもなく
青い、青い空へと吸い込まれていった。
──────
此処はポートマフィア
携帯電話を耳にあてていた男──────
芥川龍之介は通話終了の釦を押すと
乱暴に椅子へと座った。
芥川「幾ら強くとも、駒は駒か。
……Aさんに報告せねばならぬ」
最後の方は小さく呟き、
顔を上げた芥川は目の前の男へ言葉を投げかける。
芥川「貴方はどうだ?駒か、或いは──────」
ジャラ、と鎖を鳴らした男、
太宰治は妖しげに微笑んでいた。
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作者名:沙羅 | 作成日時:2019年4月29日 19時