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夢主の過去・五 ページ17

貴女side


オレンジ色の髪の毛をした

背の高いお兄さんが溝浚いをしていました



貴女『お兄さんお名前は?』


質問すると、此方に向き直り直立して


織田「織田作之助と申します」


貴女『敬語なんていいんですよっ』


私は敬語を使われるのは慣れてない


むしろ私が使うべきだから


織田「しかし…」

貴女『あの、お兄さんは拳銃使えますか?』


織田「…え、まぁ少しは」←

貴女『お兄さんもマフィアでしょう?
私は拳銃が下手なんです……』

織田「成程」

貴女『お時間がございましたら教えて下さい』


織田「俺が…ですか」


貴女『敬語はやめて下さい』


お願いします、って懇願したら


肩をすくめて分かった、と答えてくれた


貴女『私は自分の存在を隠しています
やたらに話せないのです

だから、今お話したお兄さんに
教えて貰いたいんです!』


織田「少しなら…かまわない」

貴女『本当ですか!』


織田「そうだ、君が敬語をやめてくれたらな」


……一本取られた

貴女『勿論です!あ、』


織田「ふふっ、じゃあ少し待っててくれ
これを終わらせたら今日は暇だから」

貴女『私も手伝いたい!』


織田「いいのか?」

貴女『私も暇なの!』


そう云って靴と靴下を脱ぐ

今日はスカァトだったから捲る必要は無い


織田「怪我はしないようにな」

貴女『大丈夫!』


底が見えない溝に脚を入れる


貴女『わぁ…ドロドロしてる!』


この間の雨と周辺の土が混ざったんだ…


織田「この桶を使うといい」

木製の桶を渡してくれた


貴女『この泥は何処に持ってくの?』

織田「ごみ捨て場の近くで乾燥させる」


貴女『…なんで?』

織田「…その辺の土と混ぜる」

貴女『…汚くない?』

織田「乾燥させるから大丈夫だ、多分」


貴女『判った!頑張る!』




それから早1時間、腕が痛くなってきた頃

溝の中はすっかり綺麗になっていた


貴女『如何かな?』

織田「上出来だ」

貴女『やったー!』


織田「手と脚を洗わねば」

貴女『じゃあシャワー室行こ?』


お兄さんの手を引っ張って連れていく



貴女『お兄さんじゃ長いからさ、
作兄でもいい?』

織田「作兄…か、兄とは照れくさいな」


貴女『決定!』

織田「ところで君はなんという?」


貴女『私は月乃 A!宜しくね!』


────

貴女《これが作兄との出会い》

太宰「織田作とも会ってたんだね」

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作者名:沙羅 | 作成日時:2017年3月13日 18時

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