第3話｢巨大パンダ｣ ページ7
〜カイレンside〜
パンダを追いかけていた俺は、ネズミに襲われかけている主人公たちを助けて声を掛けた。
ピンクの髪の嬢ちゃんは怯えたように、主人公の方は真顔で俺を見ていた。
｢...どうしたんでェ。気絶させとかねェとまた攻撃されんぞ？｣
？｢そ、そんなこと、できるわけ...｣
｢んー、それならこれ一個やらァ。｣
そういって俺は大きめの催涙スプレーをひとつ嬢ちゃんに差し出した。
｢これならそんなに近付かなくていいし、攻撃もしなくていい。安心できんだろ｣
？｢あ、え...ありがとう...？｣
｢ん、どういたしまして。...そっちのお前さんも、ほれ、一個やる。｣
？｢...ありがとうございます。｣
｢おぉ、あいつらは目が弱点みてェだから、ヤバくなったら目に向かって攻撃しな。お前さん男なんだから、しっかり嬢ちゃん守ってやれよ｣
？｢...目、ですか？｣
主人公君は、俺の言葉を聞いて、パンダの方を見上げた。そして少し考えるようにして.....逃げようという嬢ちゃんの言葉を聞かず木に登りだした。
？｢...な、何してんだこらぁああぁ！｣
嬢ちゃんが怒ったように木を蹴りまくってる。主人公君は落ちそうになりながらも木に登る。
？｢ご、誤解ですって...。念のため、隠れておいて下さい。...何とかします。｣
そうこうしてる間にも、パンダは近付いてきていて、ついに主人公の前まで顔を近付けてる。
？｢顔、でかいですね。肉球失礼します。｣
あいつだいぶ頭おかしいな？
？｢ほんと何してんのよあんたは！｣
？｢いやー、一度パンダ触ってみたかったんですよね。しかも肉球！はー...和む。｣
？｢和むな！｣ ...ツッコミ大変だな嬢ちゃん。
？｢大丈夫ですよ！こいつ散歩してただけなんで。｣ ？｢...え？｣
？｢目がね、逃げているとき全く、俺たちのこと見てなかったんです。こいつの散歩コースと俺たちの逃げる方向がたまたま重なっただけ。襲うつもりは最初からないですよ。｣
そういって主人公君はパンダの鼻を撫でる。
？｢な、パン太郎｣
鼻を撫でられ名前までつけられたパンダは、主人公君に向かって大きく口を開いた。
？｢ばか！はやく逃げて！！｣
大丈夫でェ、嬢ちゃんが考えているような事にはならねェから。だってあのパンダは...
(ぶひゅん！) ...くしゃみするだけだからな
？｢...君も、花粉症ですか。｣
主人公君はそういって、パンダ、もといパン太郎にティッシュを差し出した。てか、あのでかさのパンダにポケットティッシュはちいさすぎねェか？
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作者名：ももや | 作成日時：2019年7月28日 15時
