戦国ゲーム実況者に成り代わり【女主】 (ページ12)

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第8話｢立候補｣ページ12

～カイレンside～
｢あァ、参加させて貰う。｣
パ｢わかりました。それでは残りの三名｢パカさんパカさん、俺も立候補で！｣...では、残り二名をくじで決めましょうか。｣
全員が俺と入出君の突飛な発言に驚いて、数秒固まっていた。が、すぐに動き出し、案の定駆堂君が反抗した。

駆｢ふ、ふざけんな！誰がやるかそんなの！｣
俺と入出がやる。...すまんちょっとふざけた
パ｢おや、リタイアをご所望で？その場合失格とみなし、こちらゲノムタワー最下層にあります[白の部屋]へ強制収監いたします。他の方々が一億ビューを達成するまでずっとひとり。四畳半の密室で延々待機となりますが｣
パカ君は白い部屋に誰かが一人うずくまっている様子を映像で写し出す。

パ｢こちらは過去、貴方がたと同じ様に駄々をこねたお方です。実況を放棄した彼はずっとこの部屋で仲間のクリアを待っておりました。既に彼らが達成に失敗した事も露知らず来るはずもない迎えを、ずっと、ずーっと、｣
早送りされた映像の中で、写っていた人間が白骨したいになっていく。...これは、間違いなくフェイクだろう。漫画で入出君が言っていたのもあるが、そうでなくても、人はこんな風にならない。こんな状況で死ぬなら、もっと...もっと、...何だっけ？
あれ、俺は、"私"は、確か...(ダンッ)

思考を遮るように、人が地面に押し倒される様な音がする。前を見れば、駆堂君と忍霧君がパカ君を押し倒していた。
忍｢作りものの可能性は？｣
駆｢気色わりーもん見せやがって、この人殺し野郎！｣焦った、怯えたような声で言う二人。
パ｢お望みならばご案内しますよ。ご遺体は運び出しましたが部屋のリフォームは済んでおりません。まだ十分[痕跡]が残っておりましょう。｣
駆｢てめ....｣
パ｢一つご忠告を｣

パ｢貴方がたは速やかに理解すべきです。ご自分が今置かれている状況を。怪我や死亡当然ございます。なにせリアル実況ですから。現実世界にリトライやセーブがあるとお思いで？｣
確かに、現実世界にリトライやセーブは無い。

けど、リトライもセーブもなくても、生まれ直しならあるんだよなァ。でなきゃ俺は、私は今ここにいないんだから。...思い出した、思い出したよ、パカ君。お前のお陰で、やらなきゃいけない事を思い出した。

"全員を護る"、全員でここを出る。
二度と誰も死なせない。13番街の皆も、"お爺ちゃん"も。
..."お兄ちゃん"の時みたいに、手遅れにはならないように。

第8話｢記憶と決意｣end