No mouth to the dead～そして誰もいなくなる？ (ページ10)

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＿episode8 ページ10

＿side.紫藤煌

ぐちゃっ

突然現れた玲の左胸に銀色の刃が突き抜ける｡
彼の心臓部分から血が溢れて止まない｡

＿＿＿＿＿何、があった…の?

確か､瑛さんに突然話しかけられて、それで瑛さん､に狙われて､玲が…………

涙が溢れる｡
呼吸が難しくて喉が痛くなる｡

血の雨を受けた身体を必死に動かして､アイツから逃げる｡

煌｢れいっ､ｯき､らっめを置い､て逝かないｯて､約束し､た…じゃん……ｯ｣

ダメだ､私も､アイツに殺されちゃう､逃げなきゃ､……!!!

いっそのこと､私も死んじゃいたい､けど､怖い､…恐い､こわい…………

＿＿＿暫く走っていると､少し開けた場所に辿り着いた｡

追っ手は居ないようだ｡

未だ受け入れられない現実と､止まらない涙を振り切って､腕の中に少しだけ残った林檎を手に採る｡

迷いなく貪りつき､顎を動かして粉々にする｡

……あまい｡

何となく､ちょっとした支えに成った気がした｡

＿＿＿＿いつか､自分も死ぬなんて忘れて｡

_____孤高玲死亡_____

_____残り19人_____