No mouth to the dead～そして誰もいなくなる？ (ページ13)

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＿episode11 ページ13

＿side.仲西海月

海月｢ったぁ………｣

気が付くと､俺は木の下に横たわっていた｡
義足であるためか､腰辺りが痛み､立ち上がるのにもちょっとした手間が掛かった｡

デスゲームに参加したんだっけか｡
全ては､いつか無くした脚を手に入れる為｡

手術とか､俺だけの為の薬開発とかには､莫大なお金が掛かる｡

人を殺したくはないけど､脚を手にする為ならしょうがない｡
脚を手に入れるのは､俺が生き残ることができたらの話､だけどね｡

海月｢……まずは､現状把握と食料確保かな｡｣

人の気配は無し､場所は､……公園……?
15個ほどの大きな遊具があり､20本弱の木が生えている｡
かなり大きめの公園のようだ｡
今居るのは公園内の角で､あまり目立たない｡

食料は見当たらないが､近くに小さな建物がある｡
行くだけ行ってみようか｡

重たい身体を必死に動かし､小さな建造物へと足を運んだ｡

近づくとそれが小さな一軒家である、ということに気づいた。
酷くボロボロだが壁や屋根はかろうじて残っており、もともとが一軒家であることが想像される。
しかし周りの建物は完全に倒壊しており、おそらくもとは住宅街であったであろうここはその面影を少しも残していなかった。

何か食べ物があるかもしれない。そう思って家の中に入る。
棚の中や冷蔵庫などを漁ると、いくつか缶詰があった。

何かに缶詰を入れようと、部屋の中を見回し、床に転がっている赤いリュックサックを拾う。

しかしそれを手に取り見てみると、リュックサックそのものの赤だと思っていたその色が、血で染められたものだと気づいた。
思わず放り投げてしまう。

驚きで乱れた息を整え、もう一度それを手に取ってみる。
やはりこの赤は血の色だ。よくよく観察してみると、もとは黄色いリュックサックであったことが分かった。

黄色。自分の服と同じ色。
背筋がぞっとした。

俺はそんな予感を振り払うように「不吉だ」と呟いてそれを床に放り捨てた。

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