検索窓
今日:4 hit、昨日:34 hit、合計:62,371 hit

45話 大切やから ページ47

ハウス飲みが終わり、その後少し4人で何かするらしくて私は先に帰宅した。普段通り家事をしていると、電話が鳴る。画面に目を向けると、「折原」の文字がそこにあった。

電話なんて珍しい。少しドキドキしながら電話に出た。


「もしもし?」
「センラさん…お疲れ様です」
「ちゃんと家着いたかな〜と思って、心配で」


わざわざ電話までしてくれるなんて、優しすぎる。センラさんはどこまで気が回っているんだろう。


「ありがとうございます、もう家です!」
「ほんま?よかった〜ごめんな、暗い道を1人で歩かせてしまって」
「慣れているので…!大丈夫ですよ」


そうかそうか…とセンラさんの安心感に満ちた声がして、私もなんだか嬉しくなった。どうしてこんなに優しいんだろう。


「初めてやね、電話」
「そうですね…どうして今日は電話なんです?」

電話嫌いなセンラさんが…自分から電話なんて珍しい。






「…えーそんなん……直ぐに安否が知りたかったに決まってるやろ」


心臓がぎゅうっと、縮んじゃうくらい締め付けられた。そして胸の辺りが温かくなる。ほんとうに、大好きだ。
好きという気持ちが今、口から溢れそうになるのをグッと抑えて、そして口を開く。でもなんと言ったらいいのか分からず、言葉に詰まる。


「いつもどうしてそんなに…私のことを…」
「大切やから」
「大切なリスナー…だからですか」


私は自分の口から出てきた言葉に驚いた。
一体私は何を言ってるんだろう。こんなこと言ったら困らせてしまう。慌てて言い直そうと口を開くと、私よりも先に彼の方から言葉を紡いだ。



「リスナーなんて言葉、言ってへんよ?」



それは、どういうこと…




「Aちゃんは特別」
「それは…」
「誰にも言ったらあかんよ…?」
「そんなの…いいんですか」
「今更何を言ってるん?」


ズキン、と心臓が傷んだ。


「俺、ちゃんと認めることにしたから」
「…?」
「自分に嘘つくのも我慢するのも、やめた」



じゃあまた明日ね、というセンラさんの言葉に慌てて私も同じように返して会話が終了した。私は言葉の意味を一晩中考えた。

46話 大好きな証拠→←44話 サイテー



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (115 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
388人がお気に入り
設定タグ:センラ , 浦島坂田船 , 歌い手   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

みみりん(プロフ) - みるくれーぷさん» いえいえ〜!◎ 只今確認してみたら録画が公開されておりました!ミッドナイトの結構序盤の方でお話されておりました…!是非!!(?) (2022年9月17日 3時) (レス) id: dc9277ae27 (このIDを非表示/違反報告)
みるくれーぷ(プロフ) - みみりんさん» ありがとうございます!録画が出たら見てみます! (2022年9月17日 2時) (レス) id: 30587fe9a9 (このIDを非表示/違反報告)
みみりん(プロフ) - みるくれーぷさん» コメントありがとうございます!!昨日(日付的には今日)のセさんの配信になります…!まだ録画が公開されていませんが、危ない発言は無かったと思いますので近いうちに公開されるかと思います…( ; ; ) (2022年9月14日 21時) (レス) id: dc9277ae27 (このIDを非表示/違反報告)
みるくれーぷ(プロフ) - いつも小説を楽しく読ませていただいてます!占ツクの話とはいつの誰の枠か教えていただくことは出来ますでしょうか? (2022年9月14日 19時) (レス) @page22 id: 30587fe9a9 (このIDを非表示/違反報告)
みみりん(プロフ) - きよなさん» わぁ!!!ありがとうございます…嬉しすぎて涙出てきそうです()これからも頑張ります! (2022年8月25日 19時) (レス) id: dc9277ae27 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みみりん | 作成日時:2022年7月31日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。