秘密やで。【snr】

3話 余裕 ページ3

今まで感じたことのある緊張の中で1番緊張していると言ってもいいくらいにドキドキしている。でもこうやって面と向かって接するのは初めてなはずなのに、センラさんと過ごす時間はとても楽しくてたまらなかった。


「いつもこの時間に帰ってるの？」
「はい、残業の量にもよりますが…。この時間まで仕事をして帰ってます。」
「そうなんね〜…じゃあまた会えるかもね？」


また会えるとはどういうことなのか、脳内処理に時間がかかったのでとりあえずセンラさんに微笑み返した。


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「ちょーっとセンラさん、！それを持ってどこに行くんですか！！」
「女の子に奢らせるとか情けなさすぎるからやめてくれ！！！！」


私は伝票を持っていくセンラさんの腕を掴んだ。推しにお触りするなんて冷静に考えて何をやってるんだろう。その腕を振り払おうとセンラさんが私の方を振り返った時、鼻と鼻とがぶつかってしまいそうになるほどの距離になった。
びっくりしすぎて目を見開いたまま動けなくなる。
切れ長で妖艶な目を、あまりにも綺麗だったのでずっと見つめてしまった。我に帰り慌てて手を離した。時が止まったかのように感じてしまった。


「ほんとに…ごめんなさい私としたことが…」


上目でセンラさんの表情を伺うと怒ってるかと思いきや全然そんなことはなく、いつも通りふわっとした笑顔で私を見ていた。


「ふふ、黙って俺に払わせて？Aちゃんと一緒にご飯食べれたことがお礼ってことで」


そんなことを言って私の頭をぽんぽんと大きな手で撫でてくれた。ドキドキしてるのは私だけだったみたい。何だこの男余裕に満ち溢れている、ずるい！！！


「にしても〜Aちゃんめっちゃええ匂いしたわ〜」
「ほんっっとに台無しなんでそういうのは心の中にしまってください」

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