秘密やで。【snr】

12話 とうとう昇格 ページ13

あの時センラさんに出会ってから数週間くらい経っただろう、もう純粋に推しとして推すことが難しくなった。
リアコ昇格おめでとうございます！！！といったところでしょうか。

毎日会って、毎日お喋りをして、たまには一緒に食事に行って、沢山優しくされて、そんな状態で普通を保つなんて私には全くもって無理だった。

推しに恋をして、しかもそれだけじゃなくて毎日推しに会って連絡先まで交換してるなんて、そんなのバレたら社会的に殺されてしまう。私の方から引けばいいのに、もうやめようと何度も思っているのに、やっぱり会いたくてそんなこと出来た試しがなかった。




にしても…アラサーにてリアコ、あまりにも痛い、、うう、



「お疲れ様Aちゃん、お久しぶりやね〜」
「はい、お久しぶりですね〜！」


最近センラさんは仕事が忙しいらしくて、最近は 会えないことがしばしば。そういう会えない日が、好きという気持ちに気づかせてくれたに違いない。


「今日もありがとうございます…あの、明日はちょっと用事がありまして」
「お、そうかそうか。え、好きなやつでも出来た？」

好きなやつ！！！？！想定外の返答に言葉に詰まった、胸の奥がきゅぅっと縮む感覚がする。あなたが好きなんですよね！！

「いいいいやそうじゃなくて！なんかその…合コンに誘われてしまって…」
「おー、合コン……ええやん楽しんできーや」

合コンと口で呟きながらしばらく何かを考えた後、意外とあっさりな言葉が返ってきた。

「はい…楽しんできます！」

少しの間無言が続いた。合コン、と言っても自分の意思で行くと決めたものじゃない。もう余裕でアラサーを迎えてる私のためを思ってそろそろ婚活をしなさいということで…。でも今はセンラさんを諦めるために誰かを探してもいいかな〜と思えてきたな。


「もちろん何も無いことを願うけど」
「………?」
「何かあったら俺が彼氏面して迎えに行くからさ。」

彼氏、面…

「まぁ、気ぃ遣わずいつでも連絡してな」
「ありがとうございます、！！」

勝手に私が行ってるだけなのに、こんな時でも助けてくれるだなんてあまりにも紳士じゃない…？そんな優しさにまたキュンとした。彼氏面して迎えに来てくれるセンラさんを見てみたいな……


「いい人見つかるといいね」


センラさんのお顔が少し切なく見えたのは気の所為だろうか。それは本心なのかな。違ったらいいのに

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