Zoe (ページ20)

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Sungchan side

SC「ヌナ」

「あ！ソンチャンくん」

SC「今日も練習ですか？」

「ううん。休憩中なんだけどね、ソンチャンくんに渡したいものあって」

入ってもいい？って俺を見上げるヌナは今日も綺麗で、もう初めてあった日からかなり仲良くなったと思うけどまだまだ見慣れない。

手に持った紙袋を後ろに隠して俺に見えないようにしてるヌナは楽しそうに部屋に入るとこれ！と俺に渡した。

SC「これ…日本のお菓子？」

「うん！前食べたいって言ってたでしょ？」

SC「嬉しい…こんなに沢山いいんですか？」

「いっぱい食べてもっと大きくなって！」

本当のヌナみたいにそんなことを言うヌナはもう今でも十分すぎるくらい大きいけどね、と俺を見上げて笑う。

SC「それにしてもこんなにいっぱい…」

「食べきれなかったらお友達にでもあげて！… あ、ほら！前ソンチャンくんが言ってた日本人のお兄さんとか！」

SC「ああ、ヒョンに！そうします」

「うんうん。今からまた練習？」

SC「うん、最近は忙しくて」

「大変だね、無理しないでね。身体に気をつけて」

SC「ヌナこそね！」

わたしは風邪ひいたことないから平気なんだよ〜って笑うヌナが、通知が来たスマホを見て行かなきゃ、と呟いた。

「じゃあね、ごめんね急に来ちゃって」

SC「ううん。ヌナに会えたから練習頑張れそうです」

「そ、そういうの照れるからだめ！」

SC「可愛い。ヌナも練習頑張ってね」

「うん！ありがとうー！」

ヌナがいなくなってもまだ少しうるさい心臓。タロヒョンこれ喜ぶだろうな。美味しそうな日本のお菓子を手に取ってそんなことを考える。

近々、あのヌナと同じグループに入れるんだと思うともっと頑張ろうって思える。まだ信じられないけど、最近ハードになってきた練習とか、階が変わった練習室を見て徐々に実感してきてる。

ヌナと俺のふたりのひみつ。たまに会って他愛もない話をするだけのこの関係だけど、俺にとってはそれがすごく大切なものでもある。ヌナにもらったお菓子は、どんなに仲良いタロヒョンにですらあげるか迷うくらいに。

このあと、まさか2020の活動でユニットまで一緒になるなんて、このときの俺は夢にも見てなかったんだ。