お隣、26日目 ページ26
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頭がぼんやりする。
北さんに撫でられたところがまだ熱を持っているみたいで、変な気分だ。先生の声も、周りの景色も、全部意識の外に外れてしまっていた。
「……なんかあったんか」
ふと、隣の侑君が話しかけてきて、何故かそれだけは耳に入り込んできた。いつもは私をバカにするみたいな声色なのに、今日に限って優しい声で聴いてくるものだから困る。
「いやぁ、昼飯が足りなかったかなあ」
「食い意地張りすぎやろ」
へへへ、と笑って誤魔化す。
きっと侑君にはそれがバレているだろうけど、何も聞いてこない彼の優しさに甘えようと思う。
……結局私は、甘えてばかりだ。
北さんの告白だって、結局まともに答えることもできなかった。北さんは「また今度でええ」と言ってくれたけど、とても酷いことをしたと思う。
私は良い人じゃないのに、私の友達はみんな良い子だ。自分で言うのもなんだけど、私の人を見る目だけは確かだから、間違いない。
でもそのせいで、自分の醜さが浮き彫りになるみたいで辛い。
北さんも治君も……今もチラチラと私の様子を気にしている侑君だって、憎まれ口ばかり叩くけれどホントは良い人なのを知っている。
バレないようにしているようだけど、まる分かりだ。
私が神様から授かった唯一の贈り物が『人を見る目』なんだから。
今もなお私の顔色を窺ってくる侑君に、小さく「ありがとう」と呟くと、少しだけ目を丸くした後に「気色悪いで」といつも通りの憎まれ口をたたいてきた。
それでこそ侑君だ、と私は少し気分が楽になる。
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放課後、私はいつも通り家に帰る気分にもなれず、一人教室に残っていた。は定期的にぼっちの放課後を楽しむのが趣味だ。誰もいない教室が好き。落ち着く。
だけど今日はそうもいかないみたいで、廊下から男子生徒数人の話声が聞こえてきた。
自分で言うけど友達の多い私は、なんとなく『何組のあの子だなあ』とか、そういうのが分かって、無意識のうちに聞き耳を立ててしまう。
だけど、この後すぐ、聞かなければ良かったと私は後悔することになる。
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冬田(プロフ) - 結衣さん» こちらこそ温かいコメントありがとうございます(^-^)本当に嬉しい限りです！そちらの曲も聞いてみたいと思います！ (2020年5月27日 13時) (
レス) id: 4ea05f3e1b (このIDを非表示/違反報告)
結衣 - 本当に素敵なお話しをありがとうございます！！OneRepublicのCounting Starsという曲のようで感動しました！聞いてみてほしいです！ (2020年5月26日 12時) (レス) id: f0b62f3d9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬田 | 作成日時：2020年5月15日 20時
