お隣、15日目 ページ15
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「俺はAと行きたいんやけど」
「は?」
「え?」
「へ?」
上から順に、サム、俺、水野が間抜けな声を発する。
思いがけない北さんの爆弾発言に俺とサムは固まった。これは天然でやっているのか、それとも確信犯なのか。
確信犯だとしたら怖い、北さんやばい、怖い(語彙力)
「いやか?」
「じゃ、じゃんけんとかで決めましょ!」
これには流石の水野も戸惑ったようで、若干言葉を詰まらせながら名案を出してきた。見直したで水野、お前もたまには役に立つんやな。
もしこれで俺と水野、なんてペアになったら殺されるような気がしないでもないけど、まあそれは怖いから考えないでおく。
「いくよー!じゃんけんっ__」
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「勉強したくない侍!」
「せやな、手動かそうな」
はい。
シャーペンが紙の上をすべる音だけが聞こえる。高校受験の時嫌というほど聞いたこの音が私は嫌いだ。だって思い出すじゃん。私頭悪いから辛かったし!
「北さんには分からないでしょうけどね!ハッハ!」
「何の話や」
うえんうえん泣く。私の味方イズどこ。早く侑君と治君帰ってこないかなあ。私、この空気感だけで死ねるね。何故か場所を北さんと隣に移動させられたし。
元はと言えば北さんと二人きりでやる予定だった勉強会だけど、侑君と治君がいてホントに良かったと思う。
というか過去の私、よく北さんと二人きりで教えてもらおうなんて思ったなあハハハ!
北さんとはご近所さん……と言っても、それが発覚したのは本当に最近のことで、というか北さんと知り合ったのも2年生に上がってからのことで…実をいうとそこまで深い仲ではない。
まあ持ち前の図々しさを発揮して多少は仲良くなれたと思うけどね!
カリカリとシャーペンを持つ手を動かし続ける北さんをチラリとみると、心臓が高鳴った。いや恋とかじゃないよ、顔が良いからさ北さん!
「私も顔面無双したいなあ〜〜」
「意味が分からん」
「顔が強いですよね」
「もっと分からん」
さっきから勉強する気が起きず、ベラベラと喋ってばかりの私を見かねた北さんが、手を止めてこちらを見る。お説教は勘弁してください。
ていうか今は休憩タイムのはずなのに勉強してるのはおかしいよね!
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冬田(プロフ) - 結衣さん» こちらこそ温かいコメントありがとうございます(^-^)本当に嬉しい限りです!そちらの曲も聞いてみたいと思います! (2020年5月27日 13時) (レス) id: 4ea05f3e1b (このIDを非表示/違反報告)
結衣 - 本当に素敵なお話しをありがとうございます!!OneRepublicのCounting Starsという曲のようで感動しました!聞いてみてほしいです! (2020年5月26日 12時) (レス) id: f0b62f3d9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:冬田 | 作成日時:2020年5月15日 20時