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your side
お兄ちゃんがお友達を玄関に迎えに行った。
途端に声がする。
「あー!そらるさんの家久しぶりやなぁ」
「ゲーム!!しましょう!!」
「おじゃましまーす」
な、なんか緊張してきた…。
私は弟、私は弟、私は弟…。
”私は弟”、と自分に暗示をかけていたら、
廊下の方からぴょこん、と長いカーディガンを揺らして男の人が出てきた。
その人は私を見るなり「え」と声を出していた
。他の二人も私が視界に入った瞬間びっくりしていた。
続いて、お兄ちゃんが戻ってくると、適当に説明をしてくれた。
「あー、これ俺の弟。1ヶ月前上京してきたんだよね。」
それを聞くなり、一番背の高い男の人が”なるほど!”みたいな納得した表情をしたと思ったら、「ええ!」と驚いていた。
ほんとに、コロコロ表情変わるなあ…
「あ、始めまして。兄がお世話になってます。弟です。」
と、混乱を防ぐために以前は出し慣れていた低めの声で話す。
そうすると、やっと状況が理解できたような感じになり、自己紹介タイムになる。
「俺は、坂田優!知ってると思うけど、あほの坂田で歌い手やってます!さかたんって呼んでな〜!」
「俺は浦田渉。うらたぬきです。よろしくな。」
「ぼ、僕まふまふ!相川真冬で歌い手やってます!よろしくね!」
ん…?
「まふまふお前逆」
お兄ちゃんが指摘をする。
うん、やっぱりそうだよね。知ってた。
それにしても、全員声だけは聞いたことあったけど、見たのは初めてだけどなんか、すごい(語彙力)てゆーかまふまふさんかわいい…。
「さかたんと、うらたぬきさんと、まふまふさん?」
「うらたんで」
「まふくんで」
あっ…、はい。
「で、弟くんはなんて名前なん?」
さかたんに名前を聞かれる。
えっ…、これ、なんて答えればいいの?!
”A男です”とか!?
”A郎です”とか!?!?
「い、一ノ瀬、Aッ…あ」
はいやらかしたー。お兄ちゃんからの視線が痛いー。
「なんか…女の子みたいな名前ですね…?」
うん、やっぱり言われるよね。
だって、女の子だもん()
どうしようと思っていたら
「いや、今時色んな名前あるだろ。」
と、うらたんがフォローしてくれました。(フォローしてるつもりはない)
でも、それで納得したのかそれでその話は終わった。
あー、ほんとに焦った。
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作者名:えむ | 作成日時:2019年1月13日 2時