"恋の仕業" (ページ16)

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ep.16 ページ16

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仕事中だっていうのに

俺、キモかったかなぁ

なんて昨日の行動を思い返す

突然手握ったりして…

Aちゃんの手震えてたな。

自分の気持ちで精一杯で余裕なくなって、

悲しくなって、泣きそうになった…

こんなに想いを伝えても、

彼女の気持ちはハッキリと見えてこなくて

少し壁を作られているような気がして

…本当にずるいよ

昨日届いた彼女からのメッセージは

開けられずにいて、

改めて自分の情けなさに呆れる

収録も終え、楽屋に戻れば

「昨日あの後どうなった？手繋いだりした？」

ひとつひとつのジェシーの言葉に心がえぐられる

「え、何かあんまりって感じだね」

「いや…俺どうしたらいいのか本当に分かんない」

「2人いい感じじゃんって思ったけど」

昨日タクシーの中で起きた出来事を話せば、

「うわ、なんか辛いね」

「ていうか自分が情けねー」

「いや、俺も2人で会うのやめるかも。辛いもん。受け入れてもらえないって分かってて2人で会うの、辛すぎる耐えられない」

「うん…それに俺の気持ちが止まらなくなっちゃいそうで怖いからさ」

「でもなぁ、俺から見ると相当蘭ちゃんも大我のこと好きだと思うんだけど…」

こんなに恋愛って上手くいかないもんだっけ。

「きょも一、ちょっといい？」

楽屋のドアが開けば、"こっち来て"と樹に呼ばれる

「なに？なんかあった？」

「らんらんと話してきた」

「…え、あ、そうなんだ」

「何話してきたか気にならないの？」

「べつに…」

「てか、今日のきょも元気無さすぎるし、らんらんも様子変だったよね」

「…そう、かな？」

樹は、一体何が言いたいんだろ…

「きょもが何でそんなに弱気なのか理解できないよ。俺の方が絶対辛いのにさ」

そう言う樹の表情は見たこと無いほど
悲しい顔をしている

「好きな子に好きな人がいるって分かってんのに、俺は諦められないんだよ…」

そう苦しそうに笑えば、

「俺はもっと自信持って欲しいのよ、きょもに。
好きな子が辛そうにしてんの見てて苦しいから、きょもが笑顔にしてあげてよ」

「いや、でも…もう無理だと思う」

「嫌いって言われたわけ？それとも、勝手に無理って思い込んでるだけじゃねーの？」

ちょっとイラついた樹の言葉に目が覚めた

確かに、ちゃんとAちゃんの気持ちを
聞いた事なかったわ。

自分の気持ちばっか優先して…