ep.15 ページ15
田中樹side
収録も終わり、楽屋に向かう途中
「あ、らんらん もう帰っちゃうの?」
「樹さんお疲れ様です。はい、お先に失礼します」
"最近冷えますから気を付けて下さいね"
そう言って帰ろうとする彼女を
「…えっ」
「ごめん驚かせて」
後ろから抱きしめてしまった。
「…あの、他の人に見られたらマズイですよ?」
「そんなこと、らんらんは心配しないで」
「いや、心配します」
「じゃあ…きょもの事好きなのに受け入れられない理由もそれ?周りの目があるから?」
「…ちょ、樹さんどうしたんですか」
「俺と付き合いなよ、俺となら少しくらい噂されても大抵はファンの子も理解あると思うし」
何言ってんだ、俺。
「俺、めちゃくちゃ優しいよ。不安にもさせないしさ、なんなら彼女いるって公言して認めてもらうわ」
「…冗談やめて下さい。確かに大我さんに好意を抱いてしまいました。でも私なんかとの噂が立ってSixTONESの皆さんのチャンスを潰すような事が起きたら、一生自分を許せません。それに、」
「自分が傷付くのが怖いんじゃなくて?」
違う、こんな事言いたいんじゃない
「らんらんはさ、きょもの為とかSixTONESの為とか言ってるけど結局は自分を守りたいんでしょ?」
「ちが、」
「それにさ、もしも世間に交際が知れたとして、マズイと思うような人とは付き合わないよ」
しばらく沈黙が続いて、彼女が震えてるのに気付く
「…らんらん?ごめん」
好きな子を泣かせてしまった。
「樹さんの言う通りでした…自分を守りたかっただけなのかもしれないです」
抱きしめていた腕を緩め、向かい合う
「らんらんはきょもの事信じてあげて。あんなに綺麗な顔してるけど中身は男前だし、らんらんの事絶対に守ってくれっからさ」
彼女が泣き止むのを待って、
俺らは別れた
なんで背中押してんだろ…
あー恋愛ってこんなに辛いっけか。
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作者名:Mey | 作成日時:2020年9月4日 22時