【ハイキュー】思考するサバイバル【人狼ゲーム】 (ページ35)

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0日目34 ページ35

「……え？」
　特に痛かったというわけでもないが先輩の突然の奇行に驚き、暗かった表情も何処かへゆきただぽかんと呆けたように口を開ける。そんな彼の様子を見て、山形はいつもチームメイト達に見せる太陽のような笑みでにっと笑った。
「俺が気にすんなって言ってんだから気にすんなっつの、いつまでも引きずられる方がめんどくせーし」
「隼人クンオブラートは？」
　すかさず天童のツッコミが入るがあいにく彼はそれに律儀に返すような性格ではない。
「紙飛行機は飛ばせた、ルール破ったら何が起こるか分かった、んでもって俺は生きてるピンピンしてる、それでこの話は終い！それでも気になるってんならさっきのチョップで精算しとけ！」
　ドーン、と効果音が背景に見えそうなほどに自信満々に言うものだから、ひたすらに暗い感情に押し潰されていた川西の心も軽くなる。
　自分たちが安心して前を向いて戦えるように後ろを守ってくれるリベロは、コートの外でも自分を安心させてくれる頼もしい人間なのだと、川西は改めて理解した。
「……ありがとうございます、山形さん」
「分かったならヨシ。」
　川西のその言葉に満足したようで、山形は笑顔で頷いた。
「ところでこれ包帯外してもいいか？てかただの首絞めにこれは大袈裟すぎねえ？」
「いや、してたほうが良いぞ、血出てたし」
「血出てた！？」
　なお、起きてからずっと首元にゴワゴワとした違和感を抱えていた山形が問うたところ、瀬見から苦笑交じりに衝撃の事実を伝えられ若干青ざめた。
「その様子ならもう普通に動いても大丈夫そうだな」
　今までのやり取りを胸中で心配しながら眺めていた大平だったが、特にどこかが悪そうな素振りを見せることもない山形に柔和な笑みとともにそう結論を下す。
「……そうですね、それでは俺たちも食堂へ向かいましょうか」
　続けて白布が提案する。最初法廷に集まることになっていたのだが、食堂の方が座る場所もあり、長話をするのならそちらのが良いだろうという話になったのだ、白鳥沢以外の面々は皆そちらに集まっている。