お前ら、全員集合。33 ページ33
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「ちょっとーーーーA聞いたよ。豚野郎と手も繋いでないらしーじゃん。ウケる」
能天気にそう言い放つ担任を思わず呆然とガン見する。‥‥‥‥えっっ私虎杖くんと硝子さんにしかこのこと言ってないんだが‥‥??ここの高専の情報網どうなってんの。てかお二人とも誰かに言いました???
『‥‥‥‥‥チガイマス』
「カタコトな時点で丸分かりなんだよなぁ。僕らからは逃げられないよ、いい加減諦めなって」
『諦めたら私どうなってしまうんですか??』
ひ・み・つ☆とやけに形の良いウィンクをする五条先生。あれっおかしいな全身に悪寒が!!!
「やっぱり僕らの頑張りが効いてる感じ?」
『頑張り‥‥‥いや、普通に田中さんが全然グイグイ来てくれなくて』
「豚なりに自分の身分わきまえてんじゃん。利口だね」
『なにこの教師こっっわ‥‥‥』
人を豚呼ばわりする教師とか聞いたことないよ。
はぁ、と思いっきりため息をつくと「どーした?」と先生はこてんと首を傾げる。今現在進行形で貴方に悩まされてんですよ。分かって下さい。
「あ、田中に何にもされなくて欲求不満なんでしょ!」
『えぇぇ‥‥』
「このグッドルッキングガイが手でも繋いであげようか」
『えぇぇぇぇ‥‥‥‥』
ほい、と目の前に出される私よりも一回り大きな手。
別に手を繋ごうとも思ってないけど、差し出された手がつい魅力的で思わず見入ってしまった。ごつごつした骨ばっている大きな手。ザ・男の人の手って感じでちょっと触ってみたくなる。
『‥‥じゃ、ちょっとだけ』
「好きなだけいーよ」
ちょん、と彼の手の平を指で触ると「手繋ぐんじゃないの」と五条先生は笑う。そして私の手をぐいっと半ば無理やり握った。
五条先生の手にすっぽり包まれてしまう私の手。教師と手を繋いでいるという奇妙な状況だったのも相まって、顔に熱が溜まっていくのが分かる。
「Aの手、ちっさ」
『五条先生の手が大きすぎるんですよ』
「‥‥ま、でもやっぱ可愛い」
やっぱ可愛いってなんだ。五条先生が私の手の感触を確かめるようにぎゅ、と握る。やがて彼が私の顔を覗き込んだ。
「照れてる?」
『はい』
「はは、即答じゃん。やっぱ僕にしなよー」
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥、しません。うん。
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チョコ - デンジャラスステーキ食べてみたいかも、、、! (11月30日 16時) (レス) @page37 id: 98d136c84d (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - デンジャラスステーキ 作者さんおにぎり語かんがえるのうまいですよね? (10月19日 20時) (レス) @page37 id: 1f0aa0eace (このIDを非表示/違反報告)
生粋のまよらー(プロフ) - 更新待ってます…!!!まじでこの作品大好きです!!! (2022年12月18日 11時) (レス) @page37 id: 5775e80e82 (このIDを非表示/違反報告)
アワアワ - 棘の「デンジャラスステーキ」の所で吹き出しましたw最高に面白かったです!!更新頑張ってください! (2022年9月17日 9時) (レス) @page37 id: 2db5ff9399 (このIDを非表示/違反報告)
Kさん - 更新頑張ってください!!楽しみにしています! (2022年8月21日 21時) (レス) id: f72f202f06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほしふる。 | 作成日時:2021年4月17日 18時