39. 安堵、それから後悔。 ページ39
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【過去編＿＿10】
「‥‥あ、夏油に灰原じゃん。よっ」
Aは、自動販売機の前の椅子に座って話をする夏油と灰原の姿を見つけ、ヒラヒラと手を振る。
灰原は「Aさん！」とぱっと目を輝かし、夏油はふんわり微笑んで同じように手を振った。
「灰原、七海が灰原のこと探してたよ。なんかめっちゃ怒ってたけど、どした？」
「えっ、まじですか。行ってきますね！ありがとうございます！」
「七海のプリン食べたのバレたかな‥‥」と呟きには大きすぎる声でそう言ってから、すたすたとその場を去って行く灰原に苦笑する彼ら。
一息ついて、Aは夏油の側に腰かけた。夏油が手にしていた缶ジュースを「いるかい？」と渡すと、彼女は「いる」と一言だけ言ってそれを貰った。
「なんか、夏油と話すの久しぶりな気がするね」
「お互い、忙しかったからかな」
「そうだね」
夏油は特級術師となり、日本中を巡る毎日。AもAで、人手が足りないこの業界で仮の補助監督として駆り出されることが多くなった。
彼女は缶を手の中で回しながら、チラリと夏油を見て言葉を紡ぐ。
「五条も言ってたけどさ、ちょっと痩せたよね。夏油」
彼女にしては気遣わし気にそう言われ、ようやく彼女が自分に会いに来た理由を知った。
「そうめん食べ過ぎたんだよ」
「はは。五条が“そうめん流ししたい”って大量にそうめん買って来たのにはビビったよね」
「未だにそうめん消化出来てないからね」
「まじで世間知らずの坊っちゃんめ」
そんな他愛ない会話を広げながら、Aはここ一年の夏油の様子を想った。
私はよく知らない。星漿体暗殺の件は。二人がそれぞれ何かを背負わされたことも。
「夏油」
「うん？」
「またさ、そうめん流し、しようね」
夏油がぱち、と目を瞬かせるのが分かった。
「‥‥ううん、そうめん流しじゃなくていい。もっと皆で楽しいことしよう。去年、夏祭り行ったでしょ。今年もあるんだよ。‥‥えっと‥‥私、バーベキューしたいな。夜蛾センバーベキューコンロ持ってるって言ってたじゃん。何でかは知らんけど。‥‥あと、は」
「‥ふっ」
「‥‥‥‥何で笑うの」
「いや、必死でいじらしくて可愛いな、と」
「なにそれ」
分かったよ、とこの時夏油は笑ってそう言った。だからAは安心してしまったのだ。あぁ、まだ、まだ大丈夫だと。
彼は、大丈夫。
40. そりゃあ、まぁ。→←38. 泣きたくなる時だってあったけど。
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ｱｻｷ - すごい面白かったです！！コサックダンスしてください！ (11月13日 16時) (
レス) id: 48b370e610 (このIDを非表示/違反報告)
Yona - 面白かったです！いい作品をありがとうございます！ (2022年7月14日 21時) (レス) @page47 id: ca15e254da (このIDを非表示/違反報告)
ほしふる。(プロフ) - ナチテト@ワイ日本語おかしすぎワロタさん» 初めまして！ご丁寧に、そして素敵すぎるご提案ありがとうございます！宜しいんですか...！？あらすじまで😭嬉しいです、是非お願い致します‥‥！この作品をそんな風に思って頂けて幸せですっ。書かれたら読みに行きますね✨本当にありがとうございます‥‥！ (2022年4月6日 20時) (レス) id: c44e5c04c6 (このIDを非表示/違反報告)
ナチテト@ワイ日本語おかしすぎワロタ - 続きです。嫌なら断って良いです。ですが、私からのざっくりとしたあらすじは書かせてもらいます。それで良いのなら、okを出してください。あ、勿論悪いことは書きません。嫌だな、と思った箇所は教えてください。すぐに消すか直します。 (2022年4月6日 14時) (レス) id: b29450610e (このIDを非表示/違反報告)
ナチテト@ワイ日本語おかしすぎワロタ - コメント失礼します。ほしふる。様のこの作品を、私の方で宣伝させてもらえませんか？私はこの作品に出会った時に、もっといろんな人に見てほしいと思い、宣伝したいと思いました。 (2022年4月6日 14時) (レス) id: b29450610e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほしふる。
| 作成日時：2022年3月5日 18時
