あんたが主人公なら、私は悪役になってやる【ハイキュー】

16悪役 ページ20

「おい！！」



また誰かに声をかけられる


今、そういう気分じゃないんだけど……



と思いながら振り返る


振り返る前からなんとなくわかっていた



何回も呼ばれてきたんだ


気付かないわけがない







「なに、日向」

「お前……なんでやめたんだよ！？」




あぁ、日向は怒っているのか



なんで？

なんで日向が怒るの？





「あんなに楽しそうに見てただろ！！
先輩たちとも、たくさん話してただろ！！
部活だって１回も休んだことないだろ！！
なのになんで、なんで退部なんかするんだよ！！」




叫ぶ

怒りに満ちた声と顔



胸ぐらをつかまれそうな勢い


そのとき私は、少し日向を怖く感じた




なんで？

なんで怖がってんの？



前まで一緒にいた人じゃん


なんも怖いことなんてない



なのに、なんで？




「なんか言えよ！！
なんでやめたんだよ！！
バレーが嫌いになったのかよ！！」





違う


バレーのことが嫌いになったんじゃない



日向はまだしらないんだよね、きっと


あの２人が付き合い始めてまだ１週間


私と影山が別れたことを知っていても、麻奈と付き合い始めたことは、しらないんだろう




知っているのは、私と麻奈と仲のいいあの３人


そして、月島




影山が言ってない限り、バレー部のひとたちはしらない


クラスの人たちも付き合っているのか？


と疑っている程度で確定しているひとはさっきの人たちだけだと思う



この様子だと日向にも言ってないんだろう


このままだと変に誤解されてしまう




「……嫌いになんかなってない
嫌いになんてなれないよ」

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