４８話 ページ15
Aが扉から見えなくなるその瞬間(とき)まで、太宰は終始柔らかな表情で微笑んでいた。
其れに溜息を漏らしたのは勿論紅葉だ。
｢相変わらずじゃのう。お主等は｣
｢そうでしょう。Aは相変わらず可愛いですよね！｣
｢そこではない。お主等のその妙な関係じゃ。あれだけ好いておいて未だ手付かずとは･･･お主らしくもない｣
｢Aが望んでいるからね。私の中で優先順位が変わることはないから｣
｢･･･昔から思っておったが、お主は昔からAの事を寵愛し過ぎておる。情欲な気持ちになった事がない訳ではなかろうに｣
｢勿論無かった事はないよ。其れに無理矢理にでもしたら如何なるか、なんて姐さんなら云わなくても判ると思うけど？｣
｢･････其れもそうじゃな。他の者ならいざ知らず、先程の言葉と云いお主が何かするとは思えぬしのう｣
その言葉を聞いて太宰は機械的な乾いた笑みを浮かべるが直ぐに其れは無くなり、少し真剣な表情に変わる。
｢判ってくれて何より。無駄話は此れくらいにしよう。
却説、悪いけど開戦までもう間がない。そして捕虜には大事な仕事が在るよね？
マフィアの戦況、今後の作戦を教えて貰おうかな｣
｢ハッ。マフィアの掟を忘れたかえ坊主？
江戸雀(おしゃべり)は最初に死ぬ｣
太宰の隠しもしない要求に紅葉は怯むことなく寧ろ
嘲笑った。
其れに軽く呆れる様に溜息をつくと太宰は扉まで向かいながら口を開く。
｢姐さんの部下に拷問専門の班が在ったよね。
でも偶にその班でも口を割らせられない鉄腸漢が現れる事もあった。そんな時は私が助太刀したよね。
私が訊いても口を閉ざした儘の捕虜が一人でも居たっけ？｣
その言葉の後、ガチャリと鍵特有の閉まる音が聞こえた。
其れが目視出来た紅葉の額から一雫汗が溢れる。
｢此処からは大人の時間だね｣
そう云う太宰の目は光のない無機質な目をしていた。
ーーーーーーー
すみません。こちらで少し報告をします。
頂いていたリクエストですが、番外編の方にではなく、本作品に掲載する事に変更致しました。
切りが良い箇所で掲載します！
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麗(プロフ) - 続きを読める事を楽しみにしてます！ (2021年5月13日 7時) (
レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
双黒最高か！！！ - 更新待ってます(´TωT`) (2020年8月30日 15時) (レス) id: ec8ec8961f (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみる(プロフ) - 詠留さん» いつも読んで下さり有難うございます！おお！そう云うお話丁度番外編で考えてました〜！いえいえ、とんでもないです！リクエストやこう言ったお言葉は凄く嬉しいです！ 有難うございます！これからも頑張りますね！ (2019年9月28日 8時) (レス) id: 752a7ff7e6 (このIDを非表示/違反報告)
詠留(プロフ) - いつも楽しみに読んでます！リクエストですが、中也と会って嫉妬させたいです！ヤンデレにならない程度に……忙しいのに面倒臭いリクエストすいません！応援してます！頑張ってください！殿堂入りおめでとうございます (2019年9月27日 23時) (レス) id: b30345f3c7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみる(プロフ) - かあやさん» いつも読んで下さり有難うございます！とても嬉しいお言葉です！ リクエスト有難うございます！ ほぉー！そのシチュは凄く良きです！変な方向に行ってしまいそう笑 ご期待に応えられるよう頑張ります！更新も頑張りますね！ (2019年9月26日 18時) (レス) id: 752a7ff7e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうみる | 作成日時：2019年9月2日 1時
