【文スト】織田 作之助の妹は【太宰治】

四拾四話 「マフィアノ遣イ」 ページ46

中也は鼻歌を歌いながらコツコツと足音を鳴らして歩く


機嫌良さそう


「あ」


銃が中也に向けられたが、全て破壊されてしまう


流石中也←

あれ、私はどっちの味方だ


「特使の摂待役がこんな木偶(デク)とは泣かせる人手不足じゃねえか、探偵社

生きてる奴が出て来いよ」


カッコつけもご健在なようで


「社長」


「お前も私と同意見か」


乱歩さんは社長の目を見てコク、と頷く




〇



私と与謝野さん、賢治で出て来た


「たった二人か、見縊られた話だぜ」


おいこら私もいるぞ。まあ狐で与謝野さんの背中に貼り付いてるから仕方ないけど


「ンー残念だけど、二人と一匹かな」


は？と中也は何を云ってるのかわからないとでも云いたそうな顔をする


私は与謝野さんの背から中也にダイブした


「うおっ、狐！？……手前」


「中也」


私は異能を解いて元の姿に戻る


「なンだ、アンタら知り合いかい？」


「中也は私のお気に入り」


ギュッと中也に抱きつく


「おい離れろA、今は戦争中だぞ」


ぐいっと中也に肩を押されるが、私はそれに抗い更に強く抱き着いた

はぁ…と中也は溜息を吐いた


「……探偵社は事前予約制でねェ、対応が不満なら余所を中りな」


「マフィアが敵拠点で暴れるのに予約が要ると思うか？」


目つき悪いよ中也


「はい！要らないと思います！」


明るくピッと手を上げて賢治は云う


「賢治の云う通りだよ、暴れたいなら好きにしな

けどアンタは暴れに来たんじゃない、だろ？」


「ほう、何故そう思う？」


「ウチは探偵だよ、訪客の目的位一目で見抜けなくてどうするンだい」


そう云えば乱歩さんが超推理使ってたような…


「お宅の社長は？」


与謝野さんはクイッと親指を後ろの監視カメラに向ける


中也はその監視カメラの所まで行き、組合の構成員の写真のような物を見せた


「うちの首領からお宅等に贈品(プレゼント)だ

奴等を『餌』で釣った。現れる場所と時間も此処に書いてある

こんな好機(チャンス)滅多に無えだろ？憎っくき組合に一泡吹かせてやれよ」


…マフィアがそんなことしてくるの？

あと『餌』って云うのも気になる…


「成る程、唆られる案だね、けどもっと善い案があるよ」


与謝野さんに戻ってこいと云われたので、与謝野さんたちの方に戻った


「アンタの手足を削ぎ落としてから何を企んでるか吐かせるってのはどうだい」


「そりゃ凄え名案だ、やってみろよ」

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