45話 ページ46
「……………まゆ………………」
誰かが呼んでる
「……………まゆ………………」
お兄ちゃん?
「まゆ、お前そんなに寝てていいのか?」
お兄ちゃん、何で…………
「よく頑張ったな。お前は自慢の妹だ。」
お兄ちゃんに褒められるの好きだったな
いつも優しい笑顔で
頑張ったな
って言ってくれる
「だが、もうそろそろ起きないとな。お前を待ってる仲間がたくさんいる。」
でも………お兄ちゃん、もう少し………
「大事な人を待たせるのか?」
大事な人…………?
「ずっと待ってるぞ。あいつなら、まゆが選んだ相手なら、安心して任せられる。」
私が選んだ人って…………
「目が覚めたら一番に会える。まゆ、俺はこれからも、お前のことを見守ってるよ。頑張れ。」
お兄ちゃん………ありがとう
私そろそろ皆が待ってるところに
帰るよ
最後に見えたのは
兄の優しい笑顔だった
ピクッ
握っていた手に微かに動きがあり
「白鷺!」
風間はまゆに声をかける
ゆっくりと目が開かれ
その目には会いたかった人物が映る
『………か……ざま……たい……ちょう?』
「白鷺!よかった。」
風間はほっとした表情で
まゆの手を握りしめ直す
『わたし………どれぐらい…………?』
「4〜5日ぐらいか。手術が成功した後、高熱が出てな。それが落ち着くのに時間がかかったみたいだ。」
『そうなんですね…………!大規模侵攻は!?みんなはどうなりました!?……………っ!』
急に起き上がろうとしたため
傷口が痛んでしまう
「まだ無理はするな。傷は思ったより深かったらしい。まだ絶対安静だ。大規模侵攻については、無事に終息した。まだ近くにいるため、油断は出来ないが、襲ってくる気配はない。」
『そっか……よかった……』
風間の言葉にほっとするまゆ
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作者名:KOMA | 作成日時:2021年5月1日 1時