44話(過去編) ページ45
ランク戦ブース
「おい。」
後ろから声をかけられる
『はい?』
「白鷺まゆか?」
『そうですけど………どちら様でしょうか?』
「俺は風間蒼也。B級隊員だ。」
『あ、初めまして。えっと……私のことご存知なんですか?』
「ああ。色々と知っている。」
『あー……あんまりいい話は聞いてないですよね……』
苦笑いするまゆ
「俺は人の言うことより、自分の目で見た事実を信用する。」
『!?………それは、ありがとうございます?』
「フッ、なぜ礼を言うんだ。」
風間は微笑む
「お前に話がある。少し場所を変えよう。」
二人は食堂へと移動する
『あの、お話というのは?』
「単刀直入に言う。正隊員になったら、俺の作る部隊に入れ。」
『え………私がですか!?』
「ああ。」
『どうして……私なんですか?』
「俺の部隊にはお前が必要だ。」
『………っ!り、理由がわかりません!私を誘うなら、他にもっと……公平とか陽介とか……』
「お前は自己評価が低すぎる。」
『え……………』
「ランク戦や合同訓練で戦い方を見ていた。今の自分の能力をよく把握し、頭を使って戦っている。お前のサイドエフェクトは、俺が作る部隊には必要だ。」
『………でも』
「確かに出水や米屋は強いしセンスもある。だが、自分を人と比べ過ぎるな。白鷺には白鷺の強みがあるし、強くなろうと人一倍努力している。お前は、自分が思っているよりずっと強い。」
『……………っ!』
ボーダーに入ってずっと
公平や陽介と比べられてきた
その環境に慣れていたんだ
でも心の中では
ずっと誰かに認めて欲しかった
この人は私を必要としてくれた
ずっと欲しかった言葉を言ってくれた
私は……この人について行きたい……
思わず泣きそうになるまゆ
「もう一度言う。白鷺、俺の作る部隊に入れ。」
『…………はい!よろしくお願いします!』
笑顔で返事をするまゆ
それを見た風間も表情が柔らかくなる
「早く正隊員になれ。待っている。」
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風間さん
まゆちゃんのこと
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作者名:KOMA | 作成日時:2021年5月1日 1時