41話 ページ42
大規模侵攻終了後
まゆは病院に入院していた
腹部からの出血が予想以上にひどく
手術では輸血が必要となる一歩手前
ICUから一般病棟の個室に移動したが
未だ目を覚ますことはなかった
風間Side
大規模侵攻が終わってから
敵の星がこっちの世界を離れるまで
まだ数日あり気を抜けない日々が続いている
「風間さん、お疲れさまです。今日も病院行かれるんですか?」
任務後に歌川から声をかけられる
「ああ。いつ、目が覚めるかわからないからな。じゃ先に出る。」
ドアを出て病院に向かって歩みを進める
病院に着くと出水が先にきていた
「あ……風間さんお疲れさまです。」
「ああ。まだ起きないか?」
「まだです。いつまで寝てんすかねー?」
いつもの調子で話す出水
風間は黙ってまゆを見つめる
「風間さん」
「何だ?」
「まゆを助けてくれて、ありがとうございました。」
頭をさげる出水
「いや……あの戦いの時、一番最後まで白鷺と一緒にいたのは出水だ。白鷺のことを援護してくれた。こちらこそ、礼を言う。」
「…………やっぱ風間さんには勝てないっすね!」
「何がだ?」
「おれ、ずっとまゆが好きでした。」
「……!そ、そうか……。」
少し動揺をみせる風間
「小さい頃からずっと一緒だったんです。意志が強くて、真っ直ぐなやつで。まゆの周りにはいつも、たくさんの人がいる。」
「ああ……確かに先輩にも後輩にも好かれているな。お見舞いの量もすごい。」
部屋の端に山積みになったお見舞いへ視線を移す
「でも…まゆの兄ちゃんが亡くなった時、あいつの泣いてるところを初めて見た。笑ってるとこしか見たことなかったから、その時に俺が守っていかないとって思ったんです。」
「………そうか。」
「でも……あいつは俺じゃダメなんすよね。」
「どうして、そんなことがわかる?」
「名前です。」
「名前?」
「あいつが危険な時に呼んだ名前は、俺じゃなく風間さんの名前だった。菊地原に聞きました。それで場所がわかったって。」
「………」
「おれは、幼なじみです。この気持ちをまゆに伝えるつもりはありません。」
「そうか…………」
「風間さん、まゆのこと好きなんですよね?」
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作者名:KOMA | 作成日時:2021年5月1日 1時