斎藤との巡察 ページ8
「おい、A」
後ろから声をかけてきたのは斎藤だった。
「はい、なんですか?」
「お前はまだ巡察に慣れていない。数で慣れろと副長が。今日はお前も俺達三番隊の巡察についてこい」
「はい」
***
羽織を着たAは町にでてなんとなく気づいた。
「……町の人の視線が刺さりますね」
「この間の池田屋で、俺達は京では人斬り集団と認識されているからな」
だが、と付け加えた。
「誰がどう思おう俺達は信じた道を進み忠義を尽くすのみだ」
(この人は…己の信念を貫き通す為にもここにいるんだ)
Aは本当に関心した。
「私は…この新選組は人斬り集団なんて思いません。ここ数日皆さんと過ごして感じる事があるから」
すると斎藤は顔を少しほころばせた。
「ああ、これからも己の心を闇に纏わせるな。自分は自分、誰がどう感じてもな」
斎藤の言葉はAの胸に染みた。
(そう言えば…)
この近くは旦那様の邸の近くだ。
(こんな事を感じていられるのももとはといえば旦那様のお陰ね…婿探しを除いて…)
***
「おう、帰ったか斎藤」
「副長、今日は特に長州の奴らに動きはありませんでした」
「そうか、ご苦労だったな」
「いえ」
二人の会話を耳に挟みながらAは倒幕派のことを思い出す。
最近なにやら不穏な空気となりつあった。
Aはふと山南さんの事を思った。
山南さんは少し前に亡くなったと聞いた。
(まるで嘘みたいに信じがたい…)
それから数日後だった。
山南さんが生きている事を知ったのは。
それは鬼と名乗るものの襲来がきっかけで。
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ユズリハ(プロフ) - 秋音さん» 感激です!ありがとうございます!!(´▽`) (2014年4月29日 21時) (レス) id: ed19eaabc0 (このIDを非表示/違反報告)
秋音(プロフ) - かなり好きです。ユズリハさんの物語(>_<) (2014年4月15日 20時) (携帯から) (レス) id: 0007a19f97 (このIDを非表示/違反報告)
ユズリハ(プロフ) - 闇夜さん» はーい(。・∀・。)ノ分かりました~ (2013年9月9日 23時) (レス) id: ed19eaabc0 (このIDを非表示/違反報告)
闇夜 - 斎藤さん土方さんあたりがいいです! (2013年9月9日 18時) (レス) id: 7a9e51cd70 (このIDを非表示/違反報告)
ユズリハ(プロフ) - 歩軌さん» ありがとうございます(*´ω`*)まだまだ未熟ですが精一杯頑張ります!! (2013年9月3日 21時) (レス) id: ed19eaabc0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユズリハ | 作成日時:2013年9月2日 21時