もう一人の女の子 ページ3
「さて、A君。分からないことがあれば俺たちにも気軽に聞いてくれたらいいが、歳が近い雪村君に聞くといい」
近藤の後ろにいた千鶴がAの前に出る。
「初めましてAさん、雪村千鶴です」
Aはつい気づいてしまった。
「………あの、千鶴さん女の子ですよね?」
「えっ!!」
その場にいたのは先程召集された者。
つまり千鶴の事情を知っている者だけだった。
土方と山南は視線を交わす。
しまった、相手は女で鋭い。
予想以上に早くバレた。
そんな空気だった。
(ヤバイ、いらない事に首突っ込んだかな…。ところで、私の認識はどこまでされているのかな?)
「あ、あのー。少しよろしいですか?」
「なんですか?」
山南が答えた。
「えっと、私幕府関係者ですが、私自身ではなく私の…育ててくださった方が幕府の関係者で、私はたまたま才を見込んで頂けた者です。どういう誤解があるのかは知りませんが、私自身幕府に義理も貸しもありません、別に密偵とかではありませんから」
「そうですか、貴女の育ててくださった方が。失礼ですが実の両親は?」
Aは苦虫の潰したような顔をした。
「………さあ、私捨てられたんです。実の両親なんて覚えていません」
「そうですか。………分かりました。これは内密によろしくお願いします。雪村君は確かに女で隊士でもありません。しかし今訳あってここにいます」
「そうですか、大丈夫です。誰にも言いません」
「とにかく、分からないことはこいつに聞け。あと、お前には沖田率いる一番隊に入ってもらう」
「ええー、やだなあ土方さん。僕に押し付けるんですか?ひどいなあ」
「ゴタゴタうるせえ、ならこいつに腕前を見せて貰ってから決めろ」
そんなこんなでAは腕試しをさせられた。
1人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユズリハ(プロフ) - 秋音さん» 感激です!ありがとうございます!!(´▽`) (2014年4月29日 21時) (レス) id: ed19eaabc0 (このIDを非表示/違反報告)
秋音(プロフ) - かなり好きです。ユズリハさんの物語(>_<) (2014年4月15日 20時) (携帯から) (レス) id: 0007a19f97 (このIDを非表示/違反報告)
ユズリハ(プロフ) - 闇夜さん» はーい(。・∀・。)ノ分かりました~ (2013年9月9日 23時) (レス) id: ed19eaabc0 (このIDを非表示/違反報告)
闇夜 - 斎藤さん土方さんあたりがいいです! (2013年9月9日 18時) (レス) id: 7a9e51cd70 (このIDを非表示/違反報告)
ユズリハ(プロフ) - 歩軌さん» ありがとうございます(*´ω`*)まだまだ未熟ですが精一杯頑張ります!! (2013年9月3日 21時) (レス) id: ed19eaabc0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ユズリハ | 作成日時:2013年9月2日 21時