廻った世界で月を待つ【ONEPIECE】【呪術廻戦】 (ページ7)

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一期一会を大切にページ7

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『…あるもんなんだ、町』

一発KOが効いたのか何故か懐いた大虎の背に乗ってしばらく森の中を進めば、道路の整備された小さな町が見えた。日の傾き具合からして昼時から三時間ほどすぎた頃か。

森の中を知り尽くしている虎に案内して貰えたからこそ辿り着けたので、私は飛び降りて逞しい彼の背を撫でた。
虎はネコ科らしく喉をぐるぐると鳴らし、一度ざりと私の頬を舐めた。

…悠仁みたいだと思ったのは、内緒。

『奥の方へ行けば、もっと人もいるかも。

…まあ、こんな森の近くに人がたくさんいる方がおかしいか』

大虎に礼を言って町に踏み入れれば、全く人の気配がない。

日本の町並みとは違う、どちらかというと西欧圏に値するであろう建造物達を物珍しげに眺めながら、人を一人も見かけない町を通り抜けた。

今度は農作地を越えて数分歩いたところで新たな街を発見した。
先程よりも人通りも多く、栄えていると言える綺麗な町並みは、しかし物騒なほど警備体制が堅かった。

なにかあったのかと不思議に思ったところで、白いセーラー服のようなものを来た桃髪の少年が近付いてきた。幼さの残る顔立ちには凛々しさも混ざっていて、額の傷と巻かれたバンダナが印象的だった。

「すいません、島のはずれの方から歩いてこられましたが、あっちの村の方ですか？」

『…えぇ、はい』

「そうなんですね、急にすみません。

ご存知だとは思いますが、今日は天竜人がこの町にいらっしゃっています。
出来れば戻られた方がいいのですが…それか、どうしても町に入られるのなら目をつけられないよう気をつけてください」

『天竜人？』