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ぱっと離された手に慌てて距離を置き、急に現れた件を隠すように左手を右手で覆う。
尋常ではない驚き方をするバギーさんだが、「手が喋るわけないガネ」と頭に3を乗っけた人に言われ黙り込む。
見間違いだったのかと自分の目を疑い始めてくれたことに安堵しつつ、乱れた髪を押さえつけながら短刀を取りに倒れた獄卒獣の元へ向かった。
「__マゼランだ!!」
喧騒の声が止まぬ中で、その声は鋭く大気を切り裂いて全員の鼓膜を震わせた。
ドクロを模したマゼランの能力がフロアの上空を覆い、はっきりと全ての者に生命の危機を告げる。
ゆっくりと姿を現したマゼランの手にはあのカタツムリがおり、外と通信を取っている声が微かに聞き取れた。
急いでジンベエさんの元へ行って指示を仰ぐ。
『ジンベエさんっ、聞こえましたか?』
「ああ、まずいことになった。
こんなところで道草を食っとる訳にはいかん」
優先事項を正面入口の到着に切り替えた一行は、勢いが衰えることなく走り出す。
だがそれをマゼランが許すはずがなく死の手がすぐそこまで迫ってきた時、3の人が蝋の壁で攻撃を防御、そこで何かを閃いた様子のルフィさんが彼と一緒に残って戦うと時間稼ぎを買って出た。
聞いた話によると、ルフィさんは一度マゼラン相手に負けているはず。
そしてマゼランを食い止めに残ったはずのイワンコフさんとイナズマさんの姿が見えないのは、そういうことだ。
不安が残るが、彼に彼岸花は見えない。
死ぬことは無いはずだと、彼をここへ残すことに決め、私達は船を奪うため急いで地上へと向かう。
しかし__
「_軍艦が一個もねェ!」
辿り着いた扉の向こうには、霧の立ち込める海が広がっているだけ。
決していいとは言えない視界の中で、辛うじて最後尾の軍艦を視界に捉えることができた。
それを追うために自分の何倍もある大きな扉を抱えたジンベエさんは、海に入る直前でこちらを振り返った。
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改革 - 面白かったです。イラストも綺麗で感動しました (4月18日 9時) (レス) @page50 id: bf669bb16c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なぎしば | 作成日時:2022年12月26日 21時