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23.テンカウント。 ページ23

「あ、でもみぞれってお母さんが作ってくれた弁当持って来てんだっけ?」

そういえば前にそんな話をした事があった。
たまたま私がお弁当を食べてる時に3人が管理人室の前を通りかかって「手作り弁当!」みたいに言われて、自分じゃなくてお母さんが作ってくれてるって。
斗真さんと旬さんは「羨ましい」って言ってたけど、潤さんに「自分で作れよー」って笑われたっけ...。


「えっと...それは夜ご飯にします!」
「いいの?」
「いいです!要はお弁当も食べれば良いんですから!」

そう言いながら急いでホースの水を止めて、箒やらバケツやら持とうと思ったらアイスで左手が塞がってて持てない。
でもアイスは離したくない。
先に管理人室に戻ってアイスを冷凍庫に入れるか...いや、潤さんをそんなに待たせる事は出来ない...


「何してんの、行くよ」
「えっ、あっ、ありがとうございます!」

モタモタしてたら、潤さんが箒とバケツを持ってくれた。
結局私、アイスしか持ってない。

「え?ちょっと待ってください」

ビルに入った所で、私はふと立ち止まる。

「どこに行くんですか?」

潤さん、今『行くよ』って言ってたけどどこに?
そこの喫茶店?それとも、近所のファミレス?
でもだったら、ビルに入る必要ある?


「うちの事務所だけど」
「事務所...」
「今なら旬のお客さんも居ないし、ってゆーか旬も居ないし斗真も居ないけど」

そう言うと、彼はスタスタ歩いて行く。

旬さんも居ないし、斗真さんも居ない.....二人きり!
こんなチャンス、もうきっと二度と来ない!

慌てて走ってエレベーターのボタンを押した潤さんの後ろに追いつく。

「みぞれ、それ持ってくの?」

私、アイス持ったまま。
これからお昼ご飯だって言ってるのに!

「れっ...冷凍庫に入れてきます!」
「10秒で戻って来いよ?」
「10...!?」
「じゅーう、きゅーう」

潤さんがホントに数えだしたから、ダッシュで管理人室に戻ってアイスを冷凍庫に入れて、忘れてた『休憩中』の札も窓口の前に立てて彼の元に戻る。

「...ハァハァ...ぉお待たせしましたっ!」
「ゼーロ」

二人同時に言った。
けど、絶対に10秒以上経ってる。
...絶対、10秒以上経ってるのに...。
「早いじゃーん」って笑ってる潤さんに、胸がギューって苦しくなる。


エレベーターに2人で乗り込んでも、心臓の音が潤さんに聴こえやしないか不安で不安で、私は何故だか息を止めていた。

24.お昼ご飯。→←22.アイスクリーム。←9.5



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橘花(プロフ) - みぞれちゃんいいこ。。パラ潤もやっぱり彼らしくて、すごく素敵なお話でした!淡く苦いような甘いような、夏をすごく感じるお話で。随所で彼女のこととみぞれちゃんのことを考える潤くんが見られて切なかったですね。。10年がどんどん短くなりますように! (2018年10月2日 23時) (レス) id: 2798c105f2 (このIDを非表示/違反報告)
Minty(プロフ) - 今頃ごめんだけどやっぱり伝えたくて。私の中のパラ潤はまだまだ彼女を忘れられてなくて、だからみぞれちゃんと話した後は彼女のことを思い出してたんだろうなとか勝手に想像して切なくなってた。そういう裏側の光景まで読めるお話だった。書いてくれてありがとう! (2018年10月1日 23時) (レス) id: 38bee720d5 (このIDを非表示/違反報告)
ま( *^◇^)る(プロフ) - やっと読めた〜!遅くなっちゃった。パラ潤にまた会えて幸せだよーありがと。 (2018年9月25日 19時) (レス) id: 43b5111d45 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - お疲れ様です。っていうの遅い位かな~ 本編ですが、甘さは無いかもしれませんがキュンが、これでもかって位詰め込まれてて凄く良かったです♪みぞれちゃんも未来に期待ができそうだし…reiさんのお話読めて楽しかった♪ (2018年9月25日 19時) (レス) id: aab6d8833f (このIDを非表示/違反報告)
なるちゃん(プロフ) - reiさんのお話はみんな好きですが、このシリーズは特にお気に入りです!キャラがみんないい! まるでその世界にまぎれこんだ気持ちになります ありがとうございました! (2018年9月25日 18時) (レス) id: a1fe1fb9b8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:rei | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=reika72  
作成日時:2018年8月11日 13時

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