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『あー疲れた、早く帰ろ』
部活終わり。
今日はとにかく疲れた、いろんな女子に「あなたと無一郎くんは釣り合ってない」だの、「勘違いしないで」だの言われた。
よくわかんない牽制をする人に「あの人かなり狂ってるよ」って言ってあげたかった。
言ったら本当に殺されそうだけど。
『うわーもう6時だ、裏道使お』
「あの、好きです!付き合って下さい!」
『…………え』
「…………え?」
普段から人気のない裏道にはいったところで、無一郎と、他クラスの知り合いの女子にばったり会った。
昔少しだけ仲が良かった友達のさらに友達。
正直あんまり仲良くない。
しかもたぶんというか今のは絶対告白だし。
すっごい気まずい。ていうか申し訳ない。
『本当にごめんなさいお邪魔しました』
「まって」
さっさと退散しようと振り返ったところで、袖を引かれる。
袖を掴むその手は誰のものかは、一瞬で想像出来た。
そしてまたお腹が痛くなってきた。
「ごめんね。悪いけど僕、この子が好きだから」
待てそれは聞いてない。
一瞬で空気がピリッとしたものになった。
振り返ったままの体勢でも、相手が怒ってるのがわかる。
「なんで…………なんでその人が?全然釣り合ってない!」
「釣り合ってるとかそんなの気にしてない」
「ソイツは一緒にいても全然楽しくないでしょ!」
女子が叫ぶように言った。
『……………』
ずっと自覚してる。
小さい頃、友達に正面から言われた。
中学の頃、仲がいいと思ってた人に影で言われてた。
人間関係が面倒になって、友達もほとんどいなくなった。
きっと私は、人と接するのに向いてないんだなって。
『………知ってるよ、そんなこと、とっくのとうに』
早く帰りたい。
ここに居たくない。
そう思って足を一歩踏み出した。
その瞬間、
「違うよ」
袖を引く力が、強まった。
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陽葵(プロフ) - 主さん〜この作品プリ小説というアプリの方でパクられてます〜 (2022年12月6日 19時) (レス) id: 4fccf8109e (このIDを非表示/違反報告)
桜舞(プロフ) - AYAさん» ありかがとうございます!神になりたいです! (2021年10月5日 19時) (レス) id: faa91006d3 (このIDを非表示/違反報告)
AYA - 凄い面白かったです! 神ですか? (2021年10月5日 13時) (レス) @page50 id: 23da1d9ffa (このIDを非表示/違反報告)
桜舞(プロフ) - ただ、書きたいという心持ちだけはあるので、いつか投稿した時に読んでくださると幸いです。コメントありがとうございました! (2021年3月17日 21時) (レス) id: faa91006d3 (このIDを非表示/違反報告)
桜舞(プロフ) - 読んで下さってありがとうございました!前世の話は、実はあまり考えて無いんですが、出来れば書きたいな、と思ってます...ただ、この作品もネタ切れに苦しみながら何とか書ききったので、すぐに書く、というのは難しいと思います、本当に申し訳ないです。 (2021年3月17日 21時) (レス) id: faa91006d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜舞 | 作成日時:2021年2月24日 7時