マカロンとコーヒー【meychan】

ー あいたいがげんかい ページ45

.


Side mey



俺のツアーとAちゃんのツアーの日程が重なって、最近なかなか会えてない。Aちゃんは、さらに次のアルバムに向けて楽曲制作も始めてるらしくて、また詰め込んでないか心配。

そんな心配もしつつ、会いに行きたいけれど、俺もそれなりに忙しいわけで。ツアー最終日、やっと終わった開放感と寂しさと、明日あたり会いに行こうかなんて、帰りながら考えていれば。



ー あいたい



Aちゃんからそんなメッセージが一言飛んできて、思わず目を見開く。こんな文章だけ送られてくるのは初めてで、自宅へ向けていた足をAちゃんの家の方に変える。

Aちゃんの家の鍵を回して、防音室の扉を開ければ、椅子に座ったまま眠っている彼女、と、PCには恐らく出来上がった曲。ちらっと見える歌詞は、恋人に向けるようなもので、思わずにやける。……あとでこっそり聞こ。

ベットまで運ぼうと抱き上げようとした瞬間ー



『………んっ、んん、……あれ、』

「ごめん、起こしちゃった？」

『……めいちゃん、？』

「そう、めいちゃん。ベットで寝な？運ぶ」

『………ん、なんで…？』

「ふは、寝ぼけてる？Aちゃんが急に会いたいなんて送ってくるからびっくりして」

『…………ん、あ、…‥ツアー終わる日だ、明日送ろうと思ってたのに、なあ、……』



まだ開き切ってない目で、俺の胸で頭をぐりぐりしてる。ベットに寝かせて頭を撫でてあげれば、また寝そうで。



「俺が終わるの待っててくれてた？ごめんね」

『……んーん、終わる日までに曲つくりおわろーっておもって、つくった』

「それでまた寝てないんだ？」

『んー？へへ、……ん、めいちゃん』

「んー？どうした？」

『いっしょ、ねよ…ぎゅー、して』



Tシャツを掴んでこちらを見つめるAちゃんに負けて、ベットの空いたスペースに潜り込む。後ろから抱きしめるようにすれば、しばらくして寝て。

………俺はこっそりできた曲でも聞こうかな






.

▽→←ー おねつと

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す