百五十二振り ページ34
それから父さんと母さんとは、話をした。
学校の話、本丸の話、今回の討伐に関する話。
沢山沢山、面会時間ギリギリまで話した。
そして結局──審神者を辞めるという話が出ないまま、面会時間の終わりが来た。
「あら、もう終わり？早いわね」
母さんは腕時計を確認すると、私の頭に手を置いた。
「それじゃあ帰るわね。今日はもう遅くまで起きてないで早く寝るのよ」
「うん」
「退院は明日出来ると言われたし、今日は休んでおくんだぞ」
「分かった」
父さんと母さんは私に笑い掛けた後、部屋を後にしようと身支度を整え始める。
言われないなら、それで良いと思う。
勿論そうだ。辞めろと言われたって辞めるつもりは毛頭ないから言われるだけ困る。
だけど、それは、子供が危険な目に遭うのをなんとも思っていないのと同意なんじゃないか。
私はやっぱり、邪魔なんじゃないか。
「……審神者を辞めなさいって、言わないの？」
気付けばそう口にしていた。
あぁ、考えるより先に行動する。後先考えずに先走る。
治そう治そうと考え続けていたのに何も治っていない。これでは損するばかりだ。
父さんと母さんは面食らったように動きを止め、
「言われたいの？」
真剣な表情で聞いてきた。
「い、言われたい訳じゃない。私は審神者を辞めたくない！だけど…こう、子供の生命が危なくなっても、何も言わないから、私……その」
思わず言葉を濁した。
父さんと母さんは言いたい事を察したように互いに見つめ合うと、また私の傍にやってきて答える。
「Aが『審神者になりたい』って言ってきたときから、命が危険になることは分かってた。だから、何も言わなかったんだ」
「そうなの？」
「Aは知らないでしょうけど、審神者っていう職が認定されたとき、貴女に推薦状が来たのよ。得体が知らなかったから勿論即座に断ったけれどね」
「え？」
信じられなさ過ぎる言葉に耳を疑った。まさか知らぬ内に、審神者の推薦状が来ていて突き返されていたなんて。
「…まぁ、審神者の推薦状が来たっていう事は、神様に見初められたっていう事と同意だから、遅かれ早かれ貴女の方から引き寄せられるだろうと思って、審神者について色々調べていたのよ」
「時間が経つにつれて、審神者という職はどんなものかと書く人も現れて、それで死と隣り合わせだって事を知ったんだ。本丸襲撃、審神者の合戦場への出陣、刀剣男士の反逆……色々あったさ」
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ナガミ(プロフ) - 睦月乃さん» 御意見、有難う御座います！良い話だなんて…創作者として冥利に尽きます。大変嬉しいです！！私も長い話の方が好きなので、もうなんなら文庫本になるくらいに書きたいと思います！！ (2018年9月16日 0時) (
レス) id: 80f8c5534f (このIDを非表示/違反報告)
ナガミ(プロフ) - Lupineさん» 御意見を下さり、有難う御座います！占ツクでは余り長い物を見た印象がないため、長編は嫌われるだろうか…そんなにこの話に興味はないだろうか…と悩んでいたので、長編が好きだといってくださって嬉しいです！もうとてつもなく長く書きたいとおもいます！！！ (2018年9月16日 0時) (レス) id: 80f8c5534f (このIDを非表示/違反報告)
睦月乃(プロフ) - 私は長い話の方が好きです！ いつも良い話をありがとうございますこれからも頑張ってください応援してます (2018年9月14日 17時) (レス) id: fab13ef4ac (このIDを非表示/違反報告)
Lupine(プロフ) - 私は長編小説を読むのが好きなので長く書いてくださると嬉しいです！これからも応援してます！ (2018年9月14日 7時) (レス) id: 4de4e1b52c (このIDを非表示/違反報告)
ナガミ(プロフ) - マナマナさん» コメントありがとうございます！！！そう言って頂けてとっても嬉しいです！！！！！！もう本当に嬉しいです...ありがとうございます(´；ω；`)これからも好き勝手更新するので、お暇でしたら是非見て下さい！！！本当にありがとうございます！！！！ (2018年9月1日 18時) (レス) id: 6b18d1cb3a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナガミ | 作成日時：2018年4月4日 21時
