付き合い始めて 5 ページ18
それからは千は必ず私の返事を待つようになった。
なにこれ。
超恥ずかしいんだけど。
「していい?」
『しないしない!』
この掛け合いも恥ずかしくて、避けるようになった。
「何で逃げてんの?」
百が聞いてきた。
『いちいち迫ってくるのに、私が言わなきゃいけないの、めっちゃ恥ずかしい!なんなの、何で羞恥心ないの!分からないの!?』
「でもユキ、頑張ってムード作ってしようとしてるよ?ちゃんとAが赤くなってから攻めてるし。」
『ムード?』
私が聞くと、こくんと頷く百。
「あんなに攻められたらモモちゃん落ちちゃう!」
『そこはどうでもいい。』
「ヒドイ!相談乗ったのに!」
叫ぶ百を放っておいて考えてると、ムードのカケラもないと言った事を思い出した。
俳優経験と今まで見たDVDがモノを言ってるんだろう。
確かに最近ドキドキする。緊張する。
こんなにしょっちゅうしてたら保たない。
だから逃げる。
電話はいい。
触られる緊張も迫られるドキドキもない。
いつも通りでいられる。
ヤス単独での雑誌撮影の日。
千が見に来ると言った。
昼頃終わった時には、もういた。
「ヤス、お疲れ様。」
千が微笑んで寄ってきた。
「先に行ってて下さい。雑誌の企画資料があるそうで、自分は受け取ってから行きます。」
おかりんに言われて2人で先に車へ乗った。
途端に抱きしめられた。
『え・・・っ』
「約束でしょ。」
私の耳元に、千の透き通った声がささやく。
観念して自分の腕を千の背中に回した。
ドキドキする。
千の匂い。
でもなんだろう。
ちょっと、安心する。
千の肩に顔をうずめた。
「やっぱり・・・・・・」
『ん?』
ゆっくり千の顔が近づいた。
なんだ。
返事しなくても、大丈夫なんだ。
ホッとすると同時に、久しぶりの事に少しだけ緊張して、そのまま受け入れた。
・
千はいつも、自分が気に入った人との距離は、途端に近くなる。
それも分かっているけど、私はガンガン迫られると逃げるタイプだから、程々を覚えて、ゆっくりして欲しいと伝えた。
分かったって千は言ったけど、本当に分かっているかは謎。
でも、こうやって私や百以外の人との距離も覚えてくれたらな、と思う。
未来の千は、意外と上手く距離を掴んだりもできてたから、これから変わるんだろう。
変わっていく千を想像して、胸が熱くなった。
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ミズ ミズ(プロフ) - 凛音さん» ZOOL(こう打ちしか出来なくて申し訳ないです(>_<)の中では誰が、というのは特になかったんですけど、了さん側の裏を書いてると、私の中では普通に、巳波くんが絡んできたのでww2月後半か3月になるかと思いますけど、よろしくお願いします! (2020年1月29日 21時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
凛音(プロフ) - 大丈夫ですよ! 楽しみにしてます!ŹOOĻの棗巳波にハマってしまったのです。 (2020年1月27日 21時) (レス) id: 39bb781660 (このIDを非表示/違反報告)
ミズ ミズ(プロフ) - 凛音さん» ちなみに、ベースは書いてます。でないと、百の本編の裏とりが出来なかったので(笑) (2020年1月27日 17時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
ミズ ミズ(プロフ) - 凛音さん» ありがとうございます!巳波くんですか(汗)他落ちが話一辺倒な気がして、偏ってるなと反省途中なので、巳波くんside主体で、他が落ち着いてからで、どうでしょうか(^^ゞ (2020年1月27日 17時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
凛音(プロフ) - 頑張ってください!面白いです! 個人的に棗巳波くん落ちもみたいです!笑 (2020年1月27日 13時) (レス) id: 39bb781660 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:miz | 作成日時:2019年2月27日 8時